タラ釣りや大型ロックフィッシュ、大型青物を狙うことが出来るスロージギング。今般、人気絶頂のオフショアゲームになり、ロッドに続き、リールについても専用ベイトモデルが続々とリリースされ始めています。
今回の北の住人の記事では、スロージギング専用ベイトロッドに合わせておきたいベイトリール・両軸リールをご紹介して参ります。
中深海から深海を攻めるスロージギングは、スリリング、且つパワーと持久力を伴う体力勝負的な側面を持っていますので、リールの性能に頼る部分が多くなります。
今記事では、操作性とパワー性能、且つ太糸が大量にストック出来る、手巻き仕様のオフショア用ベイト・両軸リールを厳選して10選ご紹介して参ります。
基本スペックのリール番手・ラインストック量・ドラグ性能・メインギアの解説に加え、搭載される便利な機能を加味しながら、NEWモデルから人気モデルまでご紹介して参りますので、是非最後までご覧になっていただき、チョイスの参考になさって頂ければ幸いです。

スロージギング向きベイトリールの選び方とスペックの見方
ベイトタックルを使用したスロージギングゲームは、今般のロッドの進化、リールの進化により、随分と楽に楽しめるゲームになってきています。
それでも、狙う水深は100mから300mの中深海から深海域になりますので、魚のヒットと同時に長い距離を巻き上げてこなければなりません。
その間にも、魚の引き込みパワー、潮流の速さによる水圧が加算され、パワー勝負になることが多々あります。
アングラー様の体力は当然ですが、メインラインからショックリーダーに加わるストレスも必然的に高くなりますので、ジグやルアーをコントロールするギア仕様と同時に、ドラグ性能も重要になってきます。
リール番手(大きさ)
地方やエリアにより釣れる魚種は様々ですが、中深海でのスロージギングで一般的にキャッチ出来る魚は、10kg前後のタラ・カンパチ、ムツ類、アコウやメヌケなどの大型魚種、底まで潜ったマグロがキャッチされることもあります。
この種の魚の引きに対するパワーレンジを確保する必要があり、シマノであれば2000番前後、または300番~(1500番~)、ダイワでは200番以上(15番~)の中型番手から上の、ハウジング剛性がしっかりした、強いベイトリールが適正になります。
ギア比
スロージギングは、海底を中心にした誘いのゲームになります。ジグを跳ね上げてもボトムから10m~20mの範囲で、ゆっくりとしたジャーキングと巻き上げでジグを見せて誘うのがセオリーです。
そのため、ギア比の高い巻取り量の長いベイトリールを使用すると、想定した巻取り量を超えてしまい、狙ったボトムレンジを外してしまうことが多くなってしまいます。
よって、使用するリールのギア比は、ノーマルギアからパワーギアのローギアモデルをチョイスしておけば、ターゲットを絞ったゲーム展開が可能になります。
但し、リールの番手が上がる≒スプール径が大きくなり、巻取り量も長くなりますので、カタログスペックに巻取り量が記載されていれば、そちらも参考にして頂けると理想のスロージギングが楽しめます。
ドラグ性能
スロージギングゲームは、狙いの魚以外にも予期せぬ大型魚種がヒットします。先述したような大型青物やマグロ類、大型のアラも対象に入ります。
ロッドのパワーや弾力性だけに頼ってしまうと、ラインブレイクやロッドの破損も起こりえます。そうならないためにも、ラインがスムーズに出てくれる、しっかり効くドラグ性能は必要不可欠になります。
ICカウンターの有無
スロージギングでのレンジのとらえ方は、意外にもシビアなものになってきます。ボトムから10m~20mの範囲をジャークしていきますので、今、ジグがどのレンジにいるのか把握しておくことが釣果アップに繋がってきます。
デジタルICカウンターが搭載されていれば、どのレンジをアクションさせているかは一目瞭然です。初見の方やビギナーの方には、魚のキャッチから釣果アップの大きな要素になるでしょう。
搭載されていなくても、ギア比とリールハンドル一回転分の巻き上げ量、メインラインのマーキング確認でレンジを計測することは出来ますのでご安心ください。
ラインストック量
使用するラインの太さは、ターゲットにする魚種や大きさ、潮流の速さによっても異なりますが、概ねPE2号から3号が平均的な種別と太さになります。スプールには200m以上は巻いておき、ラインの高切れ、魚の引き込みや走りに備えます。
スロージギングは、ボトムに着底するまでの間にもヒットチャンスがあり、管理人の経験上、スロージギング時の大型青物ヒットはフォール中に多くあり、フッキング後は、そこから一気に走られるパターンが多く感じられます。簡単に200mは引き出されますので、こちらの対策を講じておくことも必要です。
スロージギング向きベイトリール10選のご紹介
先述のスペック説明に即した、スロージギング向きベイトリールご紹介して行きます。
ICカウンター搭載、未搭載に分類してご紹介していきます。
下記に①重量、②ギア比、③糸巻き量(下巻きナシ)、④巻き上げ量/回転、⑤ドラグ仕様 ⑤総評を記載していきます。
ICカウンター付きベイトリール
【シマノ】オシアコンクエスト CT 300PG 2018年発売
①390g ②4.8:1 ③PE2.0号-380m ④65cm ⑤カーボンマトリックスドラグ(ドラグサウンド)
⑥総評 地形の変化を探っていくタラ釣りや根魚のスロージギングでは、10cm単位でレンジを把握できるICカウンター仕様は最高のチョイスになります。水深と同時にフォールや巻き上げの速度も表示されますので、その日のヒットパターンも把握しやすくなり、一匹キャッチ後の再現性も上がってきます。
【ダイワ】ソルティガ IC 300H-SJ 2021年発売
①405g ②7.3:1 ③PE3.0号-250m ④98cm ⑤ATD
⑥総評 新世代基準のハイパードライブデザインが搭載され、耐久性良く、屈強な巻き上げ感と同時に滑らかさまで持続できるベイトモデルのジギングリールです。もともとハイスペック仕様であったソルティガがブラッシュアップされ、操作性能にプラスされた精度の高いICカウンターと、細部に渡る使用材質の変更で、更なる屈強なマシンに進化しています。
【ダイワ】バサラ IC 250P 2021年発売
①385g ②5.3:1 ③PE3.0号-250m ④70cm ⑤ATD
⑥総評 ハイパードライブデジギアの巻き上げパワー、ハイパーダブルサポート搭載での巻き上げバランスが整った滑らかさと剛性感が際立つベイトモデルです。
搭載されるICカウンターは、デプスアラーム機能で快適性が向上されています。
しっかりとしたレンジ把握と、船べりアラーム仕様でロッド破損も防いでくれる、多機能且つハイスペックなICカウンターが魅力になる一機です。
【アブガルシア】MAX DLC BG 2021年発売
①358g ②4.8:1 ③PE3.0号-200m ④60cm ⑤カーボンマトリックスドラグ
⑥総評 カウンター付両軸リールのスタートアップモデルとしてもオススメになる、コストパフォーマンスに優れた、スタンダードモデルのジギングリールです。
スロージギングをはじめとしたオフショアゲームからエサ釣りまでカバー出来、不意の大物に備えたバックアップラチェット搭載で、ビギナーの方でも安心して大物狙いのスロージギングを楽しめます。
ICカウンター未搭載 スロージギング向きベイトリール
【シマノ】オシア コンクエスト300PG 2022年発売
①350g ②4.8:1 ③PE2.0号-380m ④65cm ⑤カーボンマトリックスドラグ
⑥総評 筐体のメタルハウジングをはじめ、駆動機関の細部に渡って強化パーツが組まれた、シマノのハイエンドモデルです。インフィニティドライブの巻きの軽やかさと圧倒的なパワー出力、新規に採用されたNEWフォールレバーのレンジ制御と、フラッグシップの冠が似合う高性能なオフショアジギング専用リールです。
【シマノ】オシアジガー 2000NRPG 2017年発売
①595g ②5.1:1 ③PE3.0号-400m ④96cm ⑤カーボンマトリックスドラグ
⑥総評 オシア伝統のコンパクトボディにHAGANEギアの剛性感、どの世代のモデルでもジギングアングラーを満たしてくれる操作性含めて、毎度見事なベイトジギングリールです。新たに仲間に加わったパワーギアモデルは、しっかりとリーリングスピードをコントロール出来ますので、ご自身のテクニックにプラスアルファで、スロージギングの最強の武器になります。
【シマノ】トリウム 2000PG 2020年発売
①550g ②4.6:1 ③PE3.0号-400m ④86cm ⑤カーボンマトリックスドラグ
⑥総評 コストパフォーマンスと確実な性能、パワーギア搭載で、スロージギングでの要求性能を満たす高性能エントリーモデル。HAGANEボディとコンパクトボディを採用し、操作と機能面が両立されています。また、新たに採用されたクラッチオートリターン機構を搭載し、ジギング操作に特化された設計になっています。
【ダイワ】ソルティガ 15-SJ 2022年発売
①480g ②6.3:1 ③PE3.0号-400m ④103cm ⑤ATD
⑥総評 ダイワ伝統のスタンダードモデルのソルティガに、新たに仲間入りしたスロージギング用のパワーギアモデル。言わずもかなスペックは最上級、特にジギングゲームの機能面で特筆なスプールロックは、リール本体の損傷防止だけでなく、ロッドの破損やアングラーの安心安全をも守ってくれます。
更に幅の広い海域、レンジを攻略できるスケールアップしたスプールも魅力の一つです。
【ダイワ】キャタリナ 15H-SJ 2020年発売
①485g ②6.4:1 ③PE2.0号-500m ④-cm ⑤ATD
⑥総評 2020年にスロージギング専用として追加リリースされた、機能面とメカ構造がしっくりハマる扱いやすいベイトモデル。アンサンドの質感と、小型タイコのパーミングが万人のジギングアングラー様に評価されています。スーパーメタルハウジングの剛性感と巻き上げバランスも人気の両翼を担っています。
【アブガルシア】OCEANFIELD BG 2017年発売
①347g ②6.2:1 ③PE3.0号-300m ④78cm ⑤カーボンマトリックスドラグ
⑥総評 まずはスロージギング入門モデルの購入を考えている方には、コスパ抜群に購入いただけるベイトリールです。ジギングから様々なビッグゲームに応用可能ですので、手始めの一機にはピッタリでしょう。
外観もロープロボディーに、ハンドルポジションを調整出来る機構も備えますので、自分好みにカスタマイズも可能です。
更に気になる両軸・ベイトリールが御座いましたら、下記↓↓↓↓のECサイトから検索頂ければ、お気に召すリールが見つかるかも知れません。
ベイト・両軸リールを扱う注意点
リールの扱いやベイトリールを使い熟している方は熟知されていると思いますが、念のため下記に箇条書きで注意点を羅列して行きます。
・リールを地べたや岩の上に直接置かない⇒リール表面へのキズ発生や、最悪の場合、砂や小石を巻き込んで、駆動部に侵入し、スプールやギアの破損に繋がります。
・リールを落下させない⇒最近のリールは軽量化され、落下衝撃に強くなったと言われても、表面に出来たスクラッチ(小さいキズ)や金属クラック(欠け)が継時劣化して、目に見えない内部で進行していきます。それが、次の衝撃やファイト中の力の掛かりで破損に至るケースも少なくありません。
・リールの水中落下も極力避ける⇒ロッドにセットした状態で、落下させてしまうケースが多々ありますが、極力注意するようにしましょう。特に、海水への落下は、ソルト対応でもダメージが大きいので、出来るだけ早く、真水で洗浄することをおすすめします。
以上は、スピニングリールでも同様ですので、精密機械を扱っている気持ちで接していきましょう。
リールのお手入れ方法
先にも述べたように、リールは完全なる精密機械です。高価になればなるほど、大型に成ればなるほど精密具合や精度が増していきます。
管理人は精密機器の設計開発を本業としておりますので、その観点から最低行いたいお手入れ方法をご紹介します。
実績としては2007年式メタニウムと2003年式ツインパワーは、今だメインフィッシングギアとして現役で活躍してくれています。
・メンテナンス頻度は釣行時毎回行うのが理想です。例えば、3日連続で釣行する場合、1日毎行うようにしましょう。この積み重ねが、高価なリールを正常な状態で維持するコツです。ロッドも同じです。
・ドラグを緩めてスプールを外します。その後、手で分解出来る箇所は、しっかり分解してから真水(無ければ水道水)で洗浄します。
・その後、日陰干しで完全乾燥させます。日向は厳禁です。急激な水分蒸発で、水に含まれているカルキやカルシウムが部品上で結晶化してしまい、固着や異音の原因になります。また、固着していた異物が剥がれ落ちて、ベアリング内部やギア類に噛みこみ、動作不良の原因にもなります。
・乾燥後、綿棒を使って、細部やベール周辺、回転部を乾拭きしますが、けば立った糸くずは内部に残さないように注意が必要です。
・乾拭き後、リールメーカー純正のグリスとオイルで注油を行います。高速回転するシャフトを支持する両ベアリング(スプールシャフト含む)にはオイルを注油、ハンドルノブや低速回転部はグリスを塗布するようにしましょう。狭い箇所には、ティッシュペーパーやピンセット先端に少量付けて回転部を回してオイルを送り込みます。いずれも、油膜が出来る程度のほんの少量にします。注油量が多すぎると、逆に異物やゴミを呼び込んでしまいます。
・ラインローラー部(内部にベアリング有)は、綿棒や細く絞ったティッシュペーパーで綺麗に乾拭きだけにします。この部分は、一番外に面している部分ですので、先にも述べたように、注油してしまうとゴミや異物を呼び込み、かみこんでしまいますので、注油は要注意です。
・その後、元通りに組み上げて、回転部を回して、異常が無ければ終了です。その後はリール収納ケースや個別の収納BOXに保管し、ゴミの付着を防ぎましょう。
ばらしてから組み上げる自信がない方は、スマホなどで動画を撮りながらばらし、逆の手順で組み上げると忘れ防止になります。

各メーカー様の純正注油をご紹介
ここからは、リールメーカー様純正グリスやオイルをご紹介して参ります。
リールメンテナンス時の注油にお役立て願えればと思います。
ダイワ純正注油セット
ダイワ リールオイル2
ダイワSLPワークス メンテナンスグリス104.
シマノ純正注油セット
シマノ ディスクドラググリス DG09
アブガルシア純正グリス
アブガルシア メンテナンスキット
本記事のまとめ
今回の記事では、スロージギングのロッドに合わせたい、両軸・ベイトリールの詳細を紹介してきました。
今記事では、
①スロージギング向きベイトリールの選び方とスペックの見方
②スロージギング向きベイトリール10選のご紹介
③ベイト・両軸リールを扱う注意点
④リールのお手入れ方法
として纏めてまいりました。
以上をご参考になって頂き、自身に適した両軸・ベイトリールを選択頂ければと思います。
スロージギング向きベイトリールの説明を更に詳しく知りたい方は?
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それでは、このブログをご覧になって頂いた皆様が、よりよいフィッシングギアを購入されて、自然と楽しく遊んでくださる事を願って、次回の商品紹介の記事執筆に入らせて頂きます。楽しみにお待ち願えれば幸いです。
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