チヌ(クロダイ)やキビレをターゲットに遊べるチニングは、繊細なバイトを楽しみながらも、強烈な引き込みとファイト性で多くのアングラーを虜にしてしまう人気のルアーフィッシングです。チニングでは、季節ごとの食性や狙いのレンジに合わせてさまざまなルアーを使い分けていきますが、活性が低い時や日が高くなった時間帯では、ワームを使用したボトム(底)攻略が有効になってきます。
今回北の住人では、チヌの魚影が濃いボトムエリアや狙い方の説明、大きさや形・カラーから見るチニングに適したワームの選び方に加え、全国各地のチニングフィールドで人気の爆釣ワームを15選ご紹介して参ります。
是非最後までご覧いただき、チヌやキビレとスリリングなファイトを繰り広げ、50cmアップのランカーサイズをキャッチされてもらえれば幸いです。
チニングでのボトム攻略エリア
クロダイの事をチヌと呼称する地方名から、チヌをルアーで狙うチニングという釣法が生まれたわけですが、チヌを狙う場所はエサ釣りもルアー釣りでも大差はありません。まずはじめに、ボトム狙いのチニングを成立させるために、チヌを狙いやすい順にポイントを見ていきます。
河口域から伸びる河川や汽水湖(海水が混じる湖)
クロダイ(チヌ)は、マダイと同様にタイ科の仲間であり、魚食性を持つ魚です。河口域や海岸近くの干潟や隣接する汽水湖にはエサになる小魚が集まりやすく、シーズンによってはアユの遡上や鮭稚魚の降海など付近のエリアはベイトが豊富になり、それを捕食するチヌも集まります。
また、アユの河川遡上と同時にチヌもそれを追って川を上り、トップ(水面)からボトムまで広いレンジ(水深)でベイトを追い回します。東海の浜名湖や島根県の宍道湖・中海など、海に隣接する汽水湖にもベイトを求めて入り込み、シーバスに交じって大釣りされることも多々あります。
河口域や汽水域に点在するカキ瀬やゴロタ場
川が流れ込む波静かな干潟周辺や内湾ではカキ棚養殖も盛んですが、ここから落ちたカキやカラス貝が積み重なって繁殖しているカキ瀬と呼ばれる一帯、河川の底が掘られてしまう外側の護岸一帯に石が敷き詰められたゴロタ場は、エビやカニの甲殻類、ハゼなどの小魚のよい住処になり、これらのベイトを捕食するチヌも溜まりやすくなります。
特に渇水期や水温が高い時期、日中の時間帯でも魚影が濃くなることでポイントが絞りやすくなり、チニングアングラーの中では最もホットなエリアになります。
岸壁や杭・ポールなどの縦ストラクチャー周辺
チヌは岸壁や杭に群生するカラス貝や岩ガキなどの中に身を隠す、カニやエビも捕食しており、フラットエリア(平底)だけでなく、貝殻や海藻類が多く集まる縦のストラクチャーも狙い目になってきます。岩肌や杭のスレスレにエサを送り込む落とし込み釣りの要領で、ワームをゆっくりと自然に落とし込めばフォールが止まったり、急な引き込みなどのスリリングなチニングが楽しめるポイントになります。
磯場周辺や隣接するサーフ域
チヌの一般的な生息エリアとして岩礁域というのが最もポピュラーな印象になるでしょう。従来からのチヌの狙い方でも、磯場からウキ仕掛けで狙うフカセ釣りや、沈みテトラを撃って行くぶっこみ釣りからも見られるように、チヌの生息域は岩礁エリアやボトム地形が変化に富んだストラクチャー(障害物)が点在するエリアなど多岐に渡ります。
チヌは河口や汽水域から離れたエリアにも生息し、潮回りの周期や夏場の高水温期には潮が動きやすい磯場やサーフ域にも挿してきます。ロックフィッシュ釣りと同様に、ボトムからブレイクライン、スリット内部を丹念に撃っていきましょう。磯場やサーフ域はポイントを絞り込みやすく、数釣りも可能になるエリアです。
チニングワームの選び方とフィールドに合わせた使い方
数多ラインナップされるワームの中から、チニングに適したワームの選び方とその使い方をチェックしていきます。チヌにコンタクトするための重要アイテムですので、タックルの良し悪しもさることながら、ワームの選び方一つでバイトや釣果の優劣に差が出てきます。
ワームサイズ(長さ)やシルエットサイズ(太さ)
チヌやキビレはボディーサイズの割には口が小さく、タイラバでのマダイのバイトに似た、細かく啄むようなバイトが多くなります。細かく口に頬張っていく喰い方をしますので、違和感を与えないためにも、まずはワームサイズには拘っていきましょう。
ワームサイズは、アピール重視でも長さは4インチまでに抑え、細身のシルエットのワームをチョイスし、小さな口でも吸いこみやすいように全体のサイズを合わせていきます。ワームが長すぎるとフックポイントまで届かずに吐き出されてしまいますので、バイトが有るのに乗らないような時や、食い込みの悪さが気になるようであれば、2.5インチ~2インチへのサイズダウン、落とし込み狙いでは1インチから1.5インチを使用し、マッチザベイトで対処出来るようにしておきます。
ワーム形状の選び方と攻略方法
チニングの各種メソッド(方法)に対応するワーム形状は、狙い方とアクションに合わせて3種類に大別されてきます。シチュエーションや天候、水温の変化や潮回りに適宜対応出来るように、ワーム形状と使い方について説明していきます。
クロー系やホッグ系
ワーム自体の浮力や倒立姿勢が特徴のクロー系やホッグ系のワームは、チニングでは絶対に押さえておきたいワーム形状です。ハサミやヒゲ・足が水流になびいて、ロッドアクションを加えずとも自ら魚にアピールします。近年ではビジュアルの精度も高くなっており、様々な甲殻類を忠実にモチーフしてリアルベイトを演出してくれます。
ボトムになぞってゆっくりしたズル引き、定点シェイクやロングタイムのステイなど、如何様なアクションでもチヌの興味を引き付けて、チニングでの効果は抜群です。
シャッド系
ネイルシンカーを挿入したリグ、或いはジグヘッドに装着して、ボトムすれすれのスイミングや底をなぞっていくズル引きスタイルにも有効なシャッドワーム。はじめてのフィールドでのボトム調査や、チヌやキビレの活性を見たい時など、初期段階で是非投じておきたいワーム形状です。
ポイントまで距離がある時にもキャスト飛距離を確保出来、遡上魚などのベイトフィッシュを追い回しているような高活性時には、ボディーリブやテールが発する水流波動が生命感を醸し出し、離れている魚にもしっかりアピールしながら集魚効果も高めてくれます。
小型のカニ形状ワーム
バイトはあるが、悔いが浅くフッキングまで至らない場合、魚が足元や岸壁沿いの縦ストラクチャーに付いているのが見られる場合は、シンカーウェイトをギリギリまで落として、小型のカニ型ワームをセットして、ナチュラルフォールでチヌに口を使わせていきます。
チヌの鼻先に落とすつもりで、スプリットリグやダウンショットリグなどの、定点アクションとスローフォールが有効なリグに合わせて使用していくとバイトチャンスに恵まれます。どうしても1匹はキャッチしたい時など、最終手段としても効果を見せてくれるワームです。
ワームカラーの見極め
チヌの活性が高い場合は、どんなカラーのワームにも食い気が立ちますが、食い渋る時合や水温・潮回りでは、モエビや甲殻類に寄せたナチュラルカラー(ベイトカラー)が効果てきめんです。特にチニングでバイトの誘発が高いのはグリパン(グリーンパンプキン)やウォーターメロンになり、光の透過率が高いスケルトンカラーがベストなカラー選択です。
地域性や捕食しているベイトの種類によっても差はありますが、まずはこの2種類は鉄板で押さえておきましょう。アングラーの人数が多いプレッシャーが高いエリアや活性を見ながら、徐々に黒や赤黒のシルエットがハッキリ出せるカラーにチェンジしていきます。
チニングおすすめワーム15選のご紹介
ここからは、全国のチニングフィールドで釣果実績が高い、人気おすすめチニングワームを15選ご紹介して参ります。前項で紹介したクロー・ホッグ系ワーム、シャッドワーム、カニ型小型ワームに分類して紹介していきますので、気になるチニングワームをチェックされてみて下さい。
クローモデルのチニングワーム
【ジャッカル】ブリーカージミーシュリンプ 3.8インチ 2024年発売
チニング用ワームとしては大柄になる、3.8インチのクロー系ワーム。開発コンセプトはアピール性高く、シルエットを強調しながらも、スリムなボディーでしっかり喰わせることが高いフッキング性になります。エビフレーバーを通常の2倍配合し、集魚効果を高めてバイトを誘発してくれます。
【メガバス】ボトルシュリンプSW 2.4・3インチ 2023年発売
ネーミングに見合ったリアルなエビのモチーフが画策され、独自開発のエビフレーバーでチヌの嗅覚と食感をくすぐり、荒食い効果を発揮します。パワフルな水流波動を生み出すパワーアームは、大きく揺らめきながらチヌのバイトを高確率で誘発し、ワーム全体に散らばるリブの効果で、管理人がチニングで使用するワームの中でも一二の実績を誇ります。
【ケイテック】グライドカマロン 3.5インチ 2023年発売
逃げ惑うエビの動きを忠実に再現し、ロッドアクションで様々な誘い方が出来るクローワーム。高比重マテリアルでフォール姿勢も安定し、バックスライドを活かして着底前から誘いが掛けられます。フッキング効率を高めるためにフックの可動域も拡大され、喰いの浅いチニングにはベストなフックセッティングが可能な仕上がりです。
【ケイテック】クレイジーフラッパー 2.4、2.8、3.6、4.4インチ 2015年発売
スリムなボディーにアピール度抜群のバーツが配置される、チニングアングラーに大人気のクロー系ワーム。変形予防にフラッパーテールにファクトリーロックが採用され、魚の集魚効果を落とさない配慮もおすすめポイントです。適所にソルトが配合され、浮力を活かした倒立姿勢でチヌの興味を引き付けてくれます。
【ボトムアップ】ハリーシュリンプ 3インチ 2018年発売
バス釣りやロックフィッシュ狙いで人気の高いハリーシュリンプは、チニングでも各地で高実績を誇ります。リアルモチーフの存在感とアピール度を高めた誘発力、状況に応じたカットチューンが可能になる2way仕様です。エビ・イカ・ベイトフィッシュの粉末をトリプル配合し、匂いでもチヌのバイトを加速させます。
シャッドテール系のチニングワーム
【ジャッカル】サブル センシー シャッド 4インチ 2024年発売
サーチ力とアピール力が、高活性期のチヌの興味を最大限引き付けることが出来る、ジャッカルNEWモデルのシャッドテール。河口域のキャスティングゲームで、ゲストとしてキャッチされるチヌの食い込み性の高さでチニングへの適正も証明済み。テールチューンを画策できる2way仕様で、リトリーブアクション、或いはボトム狙いでレンジ幅を調整可能です。
【ゼスタ】シャッドスター 3.5インチ 2024年発売
手元にもしっかり伝わるロールアクションが、チヌの食い気を最大限に誘うスイミング仕様のシャッドワーム。V字型に刻まれたテール形状は、警戒心の高いチヌにも違和感を与えない挙動を見せ、デッドスローのリトリーブでもベストな泳ぎを見せてくれます。広範囲に探りながら、チヌの付き場を探るサーチベイトとして活躍の場を広げます。
【メガバス】ハゼドンシャッドSW 3インチ 2020年発売
超薄肉設計のシャッドテールで、多用なアクションで魚の興味引き付けるアピール度抜群のメガバス製シャッドワーム。ズル引きやデッドスローでも水を掴んで波動を発し、ボトムに貼りつくハゼを完全イミテートしています。高比重マテリアルを採用することで、安定したスイミング姿勢とキャスト飛距離を高める飛行姿勢の良さで釣果を爆上げします。
【一誠】海太郎 キャラメルシャッド 3.5インチ 2016年発売
ソルト対応マテリアルにチューンナップされた、強波動が持ち味のシャッドワーム。ロックフィッシュやバス釣りでも人気を博すロングセラーモデルで、チヌやキビレをはじめとした、多くのフィッシュイーターに高実績を誇ります。早い動きからスローな誘い、流れがあるところから止水エリアまで、シチュエーションの変化に幅広く対応した遊泳力も高ポイントです。
【O.S.P】HPシャッドテール 3.1インチ 2015年発売
バス釣りからフラットフィッシュ・ロックフィッシュなど、幅広いフィッシュイーターに好適性なHPシャッドテールは、大型チヌにも高実績な人気シャッドワームです。スローからファーストまで、リトリーブスピードを問わないスイムバランスと波動効果で、離れているチヌへもアピールし続けます。ズル引きからシェイキングにも多用出来るバーサタイル性も抜群です。
小型カニ形状のチニングワーム
【スミス】アマジャコ 40mm 2022年発売
ポイントを絞ったスローな誘いや、壁面や縦ストラクチャーへのアプローチでバイトを誘発する小型ワーム。ボトムノックからレンジ幅を活かしたダウンショットなど、ピンポイント攻略に適したサイズと浮力を活かせるナチュラルフォールで、喰い渋りの時間帯やプレッシャーの高いエリアで投じていきましょう。小型ボディーに詰め込まれたフィッシュフォーミュラーが、離れたチヌの食い気も誘ってくれます。
【ジャッカル】ちびチヌ蟹 1インチ 2022年発売
強力なエビフレーバーが配合される小型カニ型ワーム。チニングアングラーにはリリースから抜群の人気を見せ、ホットシーズンには、チニングフィールド近くの店頭棚から姿を消す人気ワームです。一口サイズのベストサイズと、ニーズに合わせたグリパンの追加ラインナップは、バッグに忍ばせておきたい必須アイテムです。とにかく数を獲って楽しみたい方にも、ベストチョイスのカニ型ワームです。
【エコギア】チヌ職人ミニタンク 1.5インチ 2020年発売
チヌ専用フォーミュラーが配合され、縦ストラクチャーに付くチヌの攻略に適した浮遊感を演出するカニ型ワーム。シェイキングからボトムトレースなど、縦の攻めも横の攻めも卒なく熟せるスライドフォールでチヌやキビレに猛アピール出来ます。カラーも厳選され、チョイスの確率が高いカラーに特化してラインナップされています。
【マルキュー】パワークラブ 2016年発売
釣り餌メーカーのマルキューにラインナップされる、まさに反則急のバイト誘発力を誇る疑似エサ。特殊素材にフレーバーが配合され、落とし込みやヘチ釣りでチヌを狙う釣り師に生エサと同等かそれ以上の人気を得ています。チニングでの使用でも高実績は間違いなく、最終兵器として保持しておけば、坊主逃れに役立ちます。
【ジャクソン】ちぬころクロー 1.7インチ 2016年発売
チヌのボトムパターンや壁面パターンに追従する為に開発された、チニング専用設計の小型カニ型ワーム。同社「ちぬコロリ」との組み合わせで、スナッグレス性を高く保ちながら、倒立姿勢でアピール度満点のアクション性を見せてくれます。他にもダウンショットリグやスプリットショットリグで、縦幅と横幅を無限に活かしたチニング攻略が可能なモデルです。
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本記事の纏め
今回の記事では、チニングに適したワームについて紹介して参りました。
今記事では、
①チニングでのボトム攻略エリア
②チニングワームの選び方とフィールドに合わせた使い方
③チニングおすすめワーム15選のご紹介
として纏めてまいりました。
以上をご参考になって頂き、ご自身に適したチニング向きワームをチェック頂ければと思います。
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