ロックフィッシュ(根魚)を直撃出来る海の穴釣りは、簡単仕掛けと穴を探す楽しさに加え、釣果の高さと大型ヒットの確率の高さで、近年人気の釣りになっています。
穴釣りを専門で楽しむ釣り師をアナラーと呼ぶ程、今ではメジャーな釣りになっており、専門性の高いタックルも多数ラインナップされ、専用化された仕掛けやアイテム・パーツ類も数多く出揃っています。
この記事では、これから穴釣りにトライされたい方や、更に一歩踏み込んだ狙い方で、大型の根魚をキャッチされたい方に向けて事前知識を共有して参ります。
タックルの揃え方や仕掛けの準備に加え、穴釣りフィールドの選定や釣れる穴の見極めを解説して参りますので、この機を境にスリリングな穴釣りにトライされ、海釣りの釣果を高めて頂ければ幸いです。

・海の穴釣りにトライしたい方におすすめ
・穴釣りポイントが判らない方におすすめ
・どんな穴を攻略すればよいか疑問をお持ちの方におすすめ
・穴釣りタックルやパーツをお探しの方におすすめ
根魚を狙った穴釣りの魅力と人気の秘訣は!?
以前より、初心者の方や海釣りビギナーの方には、エントリーのしやすさで人気を得ていた海の穴釣りですが、近年ではベテランからやルアー釣りのアングラーまで、幅広い領域の釣り師に人気の高まりを見せています。
そこで、海の穴釣り人気はどこにあるのか?はじめてトライされる方にも判りやすく解説して参ります。
ターゲット魚種(獲物)の豊富さとサイズ感
北と南、東と西では、穴釣りターゲットも毛色が多少異なってきます。南(関東以南以西)では、ガシラ(カサゴ・九州ではアラカブ)をメインに、キジハタやタケノコメバルも混ざり、北に行けば行くほどアイナメやソイ系、ガヤ(エゾメバル)が多くなります。
ボトムが砂地のフィールドでは大型のカレイも穴底に入っており、ナイトゲームがメインのクロメバルも日中は穴の奥で夜を待っています。
水深のある防波堤のテトラ帯ではチヌ(クロダイ)の釣果も珍しくありません。一定のフィールド領域で、これほどまでにターゲットに恵まれているのが穴釣りの楽しさです。
サイズを見ても40cmオーバーもまぐれではなく、狙って釣る事が出来る豪快さも持ち合わせるのが穴釣りです。
ターゲットが手薄になる、冬のタフな状況下であっても、周囲の釣りと比較して釣果もサイズも期待できるのが穴釣りの魅力でもあります。

穴を探す楽しさと探求心
テトラ帯やゴロタ場の足元を見ると、魅力的な穴や隙間が幾重にも広がる穴釣りフィールドですが、釣れる穴を探し出すのも楽しみの一つです。
フットワークを駆使して険しい足場を歩き回り、サイズや魚種が何であろうが、ここぞと思って選んだ穴で釣れた時の喜びは一入(ひとしお)です。
段差が有ったり底まで入る深穴だったり、上から見ただけでは分からない穴や溝を探し歩き、吟味した穴を慎重に撃って行く攻めも然り。数撃ちゃ当たる戦法もまた然り。
攻略スタイルは違えど、穴探しの探求心をくすぐる釣りが、穴釣りの醍醐味にもなります。

軽装なタックル装備と手軽な狙い方
穴釣りを楽しむ場合は、フットワークを高めるために1タックルの装備で十分です。
タックルサイズも、操作性と携行性を容易にする、コンパクトタックルが主流の装備です。
もちろん、お手持ちのコンパクトロッドや、ショートモデルのルアーロッドを使ったタックルでも代用は十分効きます。
攻略手法は至って簡単で、穴や溝に投じた仕掛けを底まで落としてアタリを待ちます。アタリがなければリールを一巻きして同じく待ちます。
この繰り返しになる非常に簡単な釣り方です。入り組んだ穴の場合、最初は多少のフォールテクニックを要しますが、直ぐに慣れてくるでしょう。
この簡単なフィッシングスタイルが、多くの釣り師を虜にしています。
穴釣りにおける安全対策の重要性と意識付け
穴釣りは釣果を高確率で確保出来る反面、フィールドの険しさや足場の悪さから、常に危険も伴います。
楽しく快適に、安全に穴釣りを楽しんでいくために、気を付ける内容や準備品についても事前に考察しておきましょう。
足元重視の安全装備は厳守!
穴釣りのフィールドは、波打ち際であったり海面に近いという事もあり、常に波を滑りやすい状態です。
波を被りやすいことで、海藻やコケ類で滑りやすくなっている場所も多くあり、足元の装備は最重要課題です。
舐め底の靴やゴム底のスニーカーはもってのほか、ラジアルソールの長靴でも滑って落水事故の恐れがあります。乾いているからと勘ぐって、不用意に移動して歩くのが一番危険です。
テトラ帯やゴロタ浜の歩行では、最低でもプラスチックピンが配備された、スパイクソールのブーツを準備して釣りに挑みましょう。
渓流釣りで履くような、フェルトスパイクソールのシューズが有れば尚ベストです。

移動時の視線は常に足元へ!余所見は転落の恐れあり!
穴を捜索しながら移動を繰り返す穴釣りでは、険しい足場を上ったり下ったり、斜面から斜面へ渡る動作が常に付いて回ります。
足元が不安定な場合が多くなりますので、余所見はせずに、視線は常に足元に向け、無理のない動作を心掛けましょう。
特に、釣りに集中して足元からの注意をそらした後や、移動の際に立ち上がったり、体制を変えた時の一歩目の足の運びには細心の注意が必要です。
立ち眩みを起こしたり、アタリに集中して水面を長時間見続けると、平衡感覚に影響を与えることもありますので、立ち上がった際は一呼吸置いてから動作に入ることをおすすめします。
管理人も何度か経験していますが、テトラ帯での転倒や滑落は、いびつな場所より平坦な場所の移動時が多いと思われます。
目線の注意が散漫してしまう事や油断、筋収縮からの解放もあり、普段とは異なる動きが転落事故を誘発しますので、釣り場では常に緊張感を持ち続けましょう。
ライフジャケットは釣り人のマストアイテム!必ず着用するべし!
穴釣りに限らず、海や水上での活動時は、ライフジャケット着用を厳守しましょう。
特に海の穴釣りでは、海面に近い状態で釣りをしますので、落水の可能性も高くなります。誤って落水した場合でも、ライフジャケットが万が一の事故から安全を保障してくれます。
大規模な事故が発生してしまうと、釣り場の閉鎖や立ち入り制限など、自分だけでなく、他の釣り師にも迷惑を掛けてしまう事になりかねません。
数少ない釣り場を守っていくためにも、ライフジャケットは確実に装着して穴釣りを楽しみましょう。

天候や波高の変化に注意するべし!
海面に近い穴釣りでは、足元の注意に加えて、天候や波高に注意することが重要です。
釣行前の天気予報で、風速や風向き・波高の予報を必ずチェックし、無理のない釣行を心掛けましょう。
足場が濡れて滑りやすくなるだけでなく、自分が波を被ってしまったり、風に煽られてバランスを崩す恐れもあります。
また、風で仮置きの道具等が飛ばされて、慌てて動いて危険な動作になってしまう可能性もありますので、風が強い時は拠点の整備も整えておきましょう。
岸際では船の航跡から立つ引き波にも注意を払っておきましょう。
沖目を船が横切った場合は、目で見て引き波の到達を予測し、無理をせずに、波打ち際から離れる余裕も必要です。

穴釣りの基本的なポイント
穴釣りが成立するフィールドは、大きく分けると3つに分かれます。それぞれのフィールド条件と特徴・ボトム地形を把握し、効果的な攻め方の確認も必要です。
キャッチ出来る魚の種類や、タックルの準備建てにも特徴がありますので、事前知識として抑えておきましょう。
消波ブロック帯=テトラ帯
穴釣りの人気ポイントとして幅広く知られるテトラ帯は、根魚のマンションのような住処です。
積まれているテトラポットのサイズにもよりますが、底まで続く間口の広い穴も多く有り、一日いっぱい攻めても有り余るほどのポイントを抱えています。
大型テトラが積まれるフィールドは水深もあって潮通しもよく、コンディションの良い隙間や穴が増え、魚が出入りしやすい(穴に入りやすい)傾向が有ります。
穴に入っている魚のサイズも比較的大きく、予期せぬゲストのキャッチにも恵まれます。
大型テトラポットが積まれるフィールドは、潮通しのよさと同時に波も撃ち付けられやすいという条件も重なってきます。
また、高所になる場合もありますので、テトラ上の歩行の際は十分な注意が必要です。

波打ち際の小テトラ帯やゴロタ場
岸辺から小規模に積まれるテトラ帯や磯場のスリット(溝や穴)、ゴロタ石が並ぶ岩と岩の間も穴釣りの好ポイントです。
このようなポイントには、小型の根魚が付きやすく、着水と同時に穴から飛び出して喰ってくることもあり、気が抜けないポイントでもあります。
小テトラ帯の底は砂利浜のケースが多く、甲殻類が豊富に生息しています。それらを捕食している根魚も多く寄りますので、付けエサに工夫を凝らせば、更なる釣果とサイズアップも期待できるフィールドです。
ゴロタ浜や小テトラ帯は波が穏やかなフィールドになりますので、岩やテトラの表面には海苔系の水性植物が繁茂しやすい傾向にあります。
ふのりやひじき・ホンダワラなど、登ると滑りやすい海藻類が付着していますので、靴底に自信がない場合は避けて通るようにしましょう。


沈みテトラ・捨て石の穴や沈み根周辺
沈みテトラや捨て石の穴も狙い目です。防波堤外側のカーブ付近の潮の当たりが強い場所に沈めてあり、大型根魚が鎮座しているケースが高くなります。
ショートロッドでは届かない範囲に穴が点在していることがありますので、ちょい投げ竿やミドルレングス(4.0~4.5m)の磯竿も活用してリーチを稼いでいきます。
潮の当たりが強いため、海藻の中をすり抜けやすい形状のオモリ仕掛けで、一気にボトムまで通過させていくのがコツです。
仕掛けが流されない程度の重めのオモリで、ダイレクト感も高めていきましょう。

釣れる穴の見分け方と基本攻略
穴釣りの基礎知識や、釣りに適したフィールドはご理解頂けましたでしょうか。
この項では、さらに一歩踏み込んで、釣れる確率の高い穴や、是非投じてチェックしてもらいたい穴の条件に付いて解説して参ります。
潮(海水)が沸き上がる穴は要チェック!
テトラ帯の穴を上から見た時に、潮(海水)が常に沸き上がってくる穴や隙間は、底から縦方向の潮の抜けがスムーズで、穴の構造もシンプルに、仕掛けをボトムまでフォールしやすくなります。
穴釣りでは、仕掛けをボトムに入れ込むのが基本になりますので、潮の湧きあがり具合を見て穴の構造を推測していきます。
もちろん、中層の壁面や岩肌にも魚は着いています。フォール途中の魚を狙いたい場合は、一度底まで仕掛けを送り込んで探った後、巻き上げる途中で仕掛けを止めて探っていきます。
底から上へ上へと、順々に攻略していきましょう。

ケーソン(コンクリートブロック)の継ぎ目と穴が近接している
防波堤では、テトラ帯や捨て石側から、反対側の洋上に潮が抜ける構造(水圧を逃がす)になっています。
この継ぎ目にはエサになる甲殻類や微生物が集まりやすく、それを捕食する根魚も付きやすい傾向にあります。
画像のように、ケーソンの隙間と穴、カーブなどが隣接しているポイントは特に狙い目で、見つけたら必ずチェックしておきましょう。

穴釣りにはブラクリ仕掛けが最強です!
短いハリスで根掛かりを抑制出来るブラクリ仕掛けは、穴釣りのマストアイテムと言っても過言ではありません。
カラーやサイズも含めると、チョイスに悩まれることかと思いますのでいくつかご紹介もしていきます。
そして、ブラクリ仕掛けは自作することも可能です。是非オリジナルの仕掛け製作にトライされてみて下さい。
ブラクリ仕掛け(既製品)
既製品のブラクリ仕掛けは、赤やオレンジ系統の着色が施されています。
これは、アイナメやカサゴをはじめとした根魚が好む色、或いは根魚のアタック確率の高いカラーが赤系統になるためで、装飾ビーズ類含めて、アピール力を高める組み合わせが施されています。
深めの穴やマズメ時(朝夕)の日が差し込みにくい時間帯では、ケイムラや夜光カラーにも食いが立ってきます。

自作ブラクリ仕掛け(オリジナル)
ブラクリ仕掛けを自作するのも一つの手です。
既製品を購入するよりも圧倒的にコストは抑えられます。
オリジナルの装飾を施した、ブラクリ仕掛けで釣れた時はより嬉しいものです。ブラクリ仕掛けはシンプルな構造ですので、まずは既製品のブラクリ仕掛けを真似て、自作ブラクリ製作にトライしてみましょう。
ブラクリ仕掛けを自作するパーツ類、オモリなどもご紹介していきますので、ご参考にされてみて下さい。
【ナツメ型オモリ製】
障害物のすり抜け性を高めたければ、スリムなナツメ型のオモリを使用しましょう。深場狙い用で重めのオモリを使用しても、スマートフォルムに仕上がります。
オモリは誘導式と固定式、どちらでも構いません。フォールスピードと食い込みの深さが変わってきますので、数種自作してみて、ご自身のアワセのタイミングが合う方を量産していきましょう。
【ナス型オモリ製】
テトラや周辺の岩のサイズが大きく、穴も比較的に広い場合は、シンプルなナス型オモリでフォールスピードを速めて手返しを上げていきましょう。
ボトムを小突きやすく、ダイレクトにボトム(底)感覚を感じ取れますので、根掛かりの抑制にも繋がってきます。
ハリスの長さを調整すれば、アピール力アップと食い込みの違和感を抑えて、ヒットチャンスも上がってきます。
穴釣りに根掛かりは付き物です。仕掛けのロストを恐れず、逆に根掛かりを恐れないで、穴の奥の奥まで攻めれば釣果も自ずと伸びてきます。
但し、巻取り時のラインブレイク対策として、メインライン(道糸)の擦れは念入りにチェックしておきましょう。

穴釣りタックルとリール操作の優位性
穴釣りでは、携行性と手返し効率を考慮すると、コントロール性の良い1.5m前後のショートロッドがベストです。
また、沈みテトラなど、狙いの穴が足元から遠い場合は、穴にブラクリ仕掛けを真上から落とせる、長さを持たせた磯竿も活かせます。
無理な攻め方は根掛かりを更に誘発しますので、ポイントに見合った長さの竿をチョイスしていきましょう。
穴釣りロッドは腕の延長として考える
ロッドメーカーにラインナップされる専用竿を見渡すと、1.0m+αの長さがほとんどです。
穴釣りを経験すると判るのですが、竿無しの手釣りでも楽しめます。釣竿を使う理由は、あくまでも腕の延長、加えて、竿本来の弾力性とアタリをキャッチする感度を得るためです。
リールを使うのは、ライン(道糸)の送り出しと巻取り操作にすぎません。
これらを踏まえると、穴釣りにはショートロッドが適しているのがお判りになられるかと思います。

ベイトリール(両軸リール)が手返しと操作性を高めてくれる
穴釣りには、スピニングとベイト、どちらのタックルも使用可能ですが、穴釣りに慣れ親しんでいくうちに、ベイトリールの優位性に気付かされます。
穴釣りに対するベイトタックルのアドバンテージと実釣効果は以下の通りです。
【太いラインが容易に使える】
穴釣りでは、当然ながらメインライン(道糸)は擦れてしまいます。擦れによるライン破断を避けるため、太めのラインを使用します。
ベイトリールは、スプールが回転してラインを放出するため、軽めのオモリと太いラインの組み合わせでも、自然なフォールを容易にします。
【手返し効率アップ】
ベイトリールは、フォールとストップをクラッチ操作だけで行えます。
ルアー釣りのキャスティングとは違ってフォール操作がメインですので、バックラッシュを気にせず、手返しを上げながらテンポの早い釣りを楽しめます。
【片手操作で安全攻略が可能】
海の穴釣りでは、険しい足場で片手で体を支えて、片手でロッドを操作するケースも少なくありません。
そのような状況下でも、クラッチ操作でフォールを容易に出来ますので、アグレッシブに安全に戦略を増やせます。
穴釣りタックル向きベイトリール(両軸リール)ご紹介
穴釣り専用竿のご紹介
簡素な穴釣りタックルといえど、出所のはっきりとしたメーカー製でタックルを固めていきましょう。
海外版の安価モデルでも穴釣りは楽しめますが、ちょっとしたスペック差がキャッチ精度と釣果に表れてきます。獲れる魚は確実に獲り、小型の魚は傷めずに、元気な状態でリリースしてあげるのが、自然を愛する釣り人の心意気です!

沈み根やテトラ周りでは磯竿も活用しよう!
穴釣りに使う竿は、必ずしも短ければ良いというわけではありません。足場より前方に沈みテトラが見られる場合もありますので、離れた穴に真上からブラクリを落とせる、長めの竿も準備出来ればベストです。
ショートロッドにプラスして磯竿も準備しておけば、ポイント攻略の幅も広くなり、釣果も上乗せされてきます。
穴釣りに適した磯竿のご紹介
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本記事の纏め
今記事では、穴釣りの解説と道具について解説して参りました。
本記事は、
①根魚を狙った穴釣りの魅力と人気の秘訣は!?
②穴釣りにおける安全対策の重要性と意識付け
③穴釣りの基本的なポイント
④釣れる穴の見分け方と基本攻略
⑤穴釣りにはブラクリ仕掛けが最強です!
⑥穴釣りタックルとリール操作の優位性
以上の内容で記事を纏めて参りました。
ご参考になって頂き、快適で楽しい穴釣りを楽しんで頂ければと思います。
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