日本の長い歴史の中で、釣り(フィッシング)はいつの時代から始まったのでしょう。釣り好きの方で、疑問に思う方はいませんか?今でこそ優秀な道具が出揃っていますが、古代ではそうは行かなかった筈ですよね。
魚釣りの道具の出土
今から約15年前、我が地元である三内丸山遺跡から、多くの漁労土器が出土されました、
釣り針や丸木船など、明らかな釣り道具です。炭素年代測定から、今から5500年以上前のものとして科学鑑定されています。縄文時代といわれる時代になります。
大型のマグロも釣っていた!?
同時期の貝塚からは大マグロの骨やサメの骨も出土されています。しかも骨の大きさから推測すると、なんと100kgクラスのマグロになるんです。
TV番組でも毎年年末には放映されている「マグロ漁師!!」みたいな番組で、みなさんも見た事ありますよね。あれですよ。あれだけ手を焼いて、電気ショッカーなるものを使ってやっと釣っているマグロを、遥か古代には釣って食べていたんですよ。驚きは隠せません!
釣りという技術の確立
ここから考えると、少なく見積もってみても、5500年前には釣りという技術は成立していた事になります。マグロを釣っていたんですから、それより小さい魚も釣っていた事になりますよね。
腕自慢の私でさえ(すいません、自慢です)、津軽海峡でのルアーフィッシングで80Kgのマグロを釣るには3年を要してます(汗)。しかも、現在の最先端のロッドとリールを使用で、2時間格闘してやっと釣りあげたものです。
なんか、想像するには、もっと凄い釣り道具も出土されるんじゃないかと期待してます。現代人の私達も負けてられない気持ちになりますよ。
釣り針の材料は?
いろんな種類がありますが、主に鹿の角や魚の骨、動物の骨を材料にしていたようです。実際に現物を見てみると、まあ丁寧に加工されてるんですよね。日本人は昔から器用な人種だったのを、改めて思い知らされますよね。
この画像は、実際に出土された釣り針です。
大型の針から小型の針まで、魚の大きさで作り分けていたのが見受けられます。
どうやって沖に出漁した?
と、いう事はですよ、その時代に自らが作った船と釣り針で、あのでかいマグロを釣っていた!?ということになりますよね。
出土されたものの中には、丸木船や葦船もありますので、そのような小船で荒れ狂う津軽海峡に繰り出していたことになります。
釣り糸はどんなものを使ったのか?
ここは大きな疑問点です。今でこそ、化学が進歩し、高剛性なテグスやラインが開発されて、漁師さんも活用していますが、縄文時代には、それに匹敵する同種の糸が有ったのでしょうか?
これから解明していかなければならない問題でしょう。
古代学者の見解は?
発掘調査や年代測定の進化が進んだ現在は、今まで私たちが思っている以上に、縄文時代は発展していたという説も問われています。
千葉県でしか採掘されない黒曜石の石器や日本海側産の漆を塗った土器など、その時代も国内貿易も盛んだったようです。
狩猟だけでなく、やはり船を使用して、荷物の運搬をしていたと考えるのが普通でしょう。
そのような意味では、縄文人は漁労も含めた海洋民族であったとも言えます。
これからの情報開示に期待です!
これからどんどんと、古代の日本人の暮らしが解明されていくでしょう。
私たちが、子供の頃に習った縄文時代の原始人的な考えは、もう昔の話です。これからの学者さん達の研究に期待していきましょう。
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