ウェーディングの安全装備の中で、ウェーダーと共に重要な役割を果たすのが、ストッキングウェーダーの上から履くウェーディングシューズ(ブーツ)です。常時水に浸かっていることで、どんなに高価なウェーディングシューズでも意外に劣化は早く、買い替え時・交換時期はしっかり見極めていく必要性が高い釣り道具の一つです。
シャローに大型が差してくる冬場のサーフや干潟、北方の海アメマスや海サクラマス釣り、早春の渓流解禁のシーズンに備え、準備に余念がないアングラー様も多数いらっしゃるかと思いますが、ウェーディングシューズ(ブーツ)は、直接身に着ける道具の一つですので、安全性を第一に考えたチョイスをしていく必要があります。
今回北の住人では、各種フィールドに合わせた、ウェーディングシューズの種類やソール仕様・選び方の説明に加え、全国のフィールドで人気のウェーディングシューズを厳選して16選ご紹介して参ります。はじめてウェーディングシューズをチョイスされる方、交換を希望されるアングラー様にもにも判りやすくご説明を加えていきます。
是非最後までご覧いただき、ご自身が歩きやすく、移動しやすい安全に配慮されたウェーディングシューズをチェックいただき、お気に入りのフィールドで魚に一歩でも近づき、快適な釣りを楽しんで頂ければ幸いに思います。
ウェーディングシューズ(ブーツ)と磯ブーツ(靴)の違い
ウェーディングシューズを既にご利用になられているアングラー様であれば、フィッシングブーツ(釣り靴)とウェーディングブーツの違いがお判りになられると思いますが、はじめて購入される方は、違いをしっかり理解・認識して、ウェーディングに見合ったシューズ、専用シューズを選択していきましょう。
ウォータースルー(水抜き穴)構造
潮だまりや湿地帯を靴で歩き回るのと違い、サーフや渓流で水に中に長時間浸かると、シューズの中には確実に水が溜まってきます。頻繁に水から出て歩き回る場合や、潮だまりを避けながら移動する場合であれば自然と脱水もされてきますが、ウェーディングでは、水から水へ、水に完全に浸かった状態での移動を余儀なくされます。
ウェーディングシューズは、濡れる事が前提として製作されており、このシューズの中に溜まった水を適宜排出するために、ウォータースルー(水抜き穴)機構が設けられています。水に浸かる場面が多いウェーディングでは、水はけのよさが求められ、軽量感を得るためにも必要不可欠な機構です。
軽量材質での仕上げと適所の補強
釣りに使用する各種の専用シューズは、険しい環境下での使用を前提に、元より強固な作りになっていますが、特に、水の中の使用がメインになるウェーディングシューズは、アッパー部(足を囲む部分)の縫い目やメイン材質にも、各メーカーの拘りが見て取れます。
ラバー材とPVC(ポリ塩化ビニール)を適宜配置しながら、踵(かかと)やつま先からは縫製箇所が避けられた作りになり、岩礁や障害物との接触による、ほつれ対策も講じられています。特に、ウェーディング時の歩行はすり足が基本になり、前進・後進においても、つま先やかかと部の劣化や障害物への接触が多分に見られ、これらの箇所の補強と防御策には余念がありません。
アッパー材質(本体材質)の撥水効果
通常のフィッシングブーツや磯靴と、ウェーディングシューズを持ち比べてみると一目瞭然ですが、まずは軽いというのが判ります。ウェーディングシューズにメインで使用される材質には、軽量ナイロンやアクリル、ポリエステルが使用され、撥水効果も高く保たれています。
ウェーディングシューズは、内部に水が溜まりにくい排水構造での軽量感維持だけでなく、アッパー素材自体に水が吸収されにくい素材と撥水効果を兼備し、水の中での歩きやすさと足の運びやすさを重点に設計されています。
ソール(靴底)を釣り別のフィールドに合わせましょう
ソール素材は、メインに釣りをするフィールドに見合った選定が必要です。誤ったチョイスは落水事故や転倒事故にも繋がりますので、歩きやすさと共に安全釣行にも配慮していきましょう。
ラジアル(ラバー)ソール
・ラジアルソールは、防波堤などの平場での移動に適し、砂地のサーフ、干潟の泥底でも、しっかり地面や砂・泥を噛みながら動けます。スタッドレスタイヤが、雪上をしっかり噛んで進めることを考えれば、歩きやすさは想像できると思います。
・反面、苔むした岩場や凍結が予想される斜面、波を被ったテトラの上の使用は、滑りやすく大変危険です。
スパイクピン付きラジアルソール(ラバーソール)
・歩きやすさが人気のラジアルソールに、ポイントでのフリクション(摩擦力)で滑り止めが搭載され、サーフエリアの中でも、ゴロタ場が混在しているフィールドに適したソールです。
・あくまでも歩きやすさにプラスαされた滑り止めになりますので、滑落の危険があるフィールドでの過大評価は危険です。
フェルトソール
・フェルトソールのメリットは、繊維材質の効力で、無数の接地面を確保しながら、フリクション(表面摩擦力)を高く保ち、滑りを抑制してくれます。渓流釣りに最も適し、磯場やゴロタ浜・ガレ場での移動にも適しています。サーファーのご用達ソール仕様でもあります。
・フェルト材質ですので耐久性は短く、長期間の使用では密着力も落ちてきますので、適宜ソールの交換は必要です。
フェルトスパイクソール
・フェルトスパイクソールは、元来フリクションの高いフェルトソールに、スパイクピンを追加で施し、摩擦と物理的な引っ掛かりで滑り止め効果が高まっています。渓流釣りや磯釣りのアングラーには、もはやマスト的な利用者も見受けられます。
・但し、長期の使用ではスパイクピンのすり減りも起こりますので、定期的なメンテナンスも必要です。
ウェーディングブーツおすすめ16選のご紹介
安全性の高い人気モデルは、店頭に並ぶことも少なく、ましてや、お気に入りのモデルや、メインフィールドに合わせたソール仕様のウェーディングシューズはなかなか見つからないものです。
この項では、各地のフィールドで人気のウェーディングシューズを、ソール仕様に分類してご紹介して参りますので、気になるウェーディングシューズをチェックされてみて下さい。
フェルトスパイクソールのウェーディングシューズ
【ダイワ】ソルトウェーディングシューズ SW-2501 2023年発売
ソルトウェーディングシューズ SW-2501紹介WEBページ
長時間の歩行でも疲れずらく、屈曲性に優れたスーパーキュービックセンサーソール(フェルトスパイク)が採用されるレギュラーモデルのウェーディングシューズ。新型のEVAミッドソールとコーデュラ素材も採用され、軽量化と耐久性も大幅に向上しています。履きつぶしの使用頻度でも、リピート購入しやすい価格に落ち着いています。
【がまかつ】ウェーディングシューズ(フェルトスパイク) GM4538 2023年発売
ウェーディングシューズ(フェルトスパイク) GM4538紹介WEBページ
様々な条件の川底や磯場を的確にグリップする、フェルトスパイクが搭載されるハイグレードモデル。
前作モデルから耐衝撃性とシューズ内のグリップ力がアップされ、日本人の足に合わせた幅広設計も採用されています。ソール剥がれの原因になるミッドソールの密着を強化し、フットワーク性能と耐久性も同時にブラッシュアップしています。
【マズメ】フェルトスパイクシューズ(タングステン) MZWD-692 2023年発売
フェルトスパイクシューズ(タングステン) MZWD-692紹介WEBページ
縫製部を極力減らし、経年使用での縫い目のほつれを排除したマズメ最新モデル。日本各所のフィールドにベストマッチし、苔むしたの底質のフィールドにお勧めです。耐久性の高いタングステンのスパイクピンを適宜配置し、硬質EVAコーティングを施して、タングステンピンの沈み込みも防いでいます。
【リバレイ】RV ドレインウェーディングシューズ ll FS 2023年発売
RV ドレインウェーディングシューズ ll FS紹介WEBページ
汎用性高く、滑りやすいフィールドにベストマッチするピンフェルトソール仕様のウェーディングシューズ。靴底からしっかり排水するドレインソールと、かかとを形成するクッション性の高いラバー仕様で、歩行のしやすさと軽量感を維持出来ます。
【リトルプレゼンツ】ミッドストリームWDシューズII ピンフェルトソール 2019年発売
ミッドストリームWDシューズII ピンフェルトソール紹介WEBページ
足幅の広い方にもベストサイズなワイドモデルになる、ブラッシュアップモデルのウェーディングシューズ。前作ミッドストリームの長所を引き継ぎ、長時間のウェーディングでも疲れを抑制します。価格的にも落ち着き、最初の一足としてもおすすめになり、ハードユースなアングラー様の予備品としても満足いただける仕上がりです。
【フォックスファイヤー】クイックジップ6ウェーディングシューズ 2018年発売
多くのウェーディングアングラーから高評価を得る、人気のロングセラーモデル。
脱着が容易なクイックジップ・システムが採用され、不意な砂の侵入や休憩時などでも手間を掛けない脱着性が人気のポイントです。つま先とかかとにスパイクピンを内蔵しながら、長時間歩いても疲れない、フィッティング性の高いウェーディングシューズに仕上がっています。
フェルトソールのウェーディングシューズ
【ダイワ】ウェーディングシューズ WS-2202C(フェルト) 2023年発売
ウェーディングシューズ WS-2202C(フェルト)紹介WEBページ
アッパー素材に強靭性に優れたCORDURA Fabricsが採用され、歩きやすさと軽量感に拘ったフェルトソールのウェーディングシューズ。高い耐久性も兼備し、ハードユースなアングラー様にもおすすめな強さも見せてくれます。本体側面にはのシームレス構造のサイドウォールを採用し、高レベルな排水性も確保しています。
【シマノ】ウェーディングシューズ 羊毛フェルト 2023年発売
しっかりとしたメンテナンスを施すことで、天然素地ならではの弾力性のあるグリップが得られる羊毛フェルトソール。加圧ポイントが均等に配分されますので、足裏全体を使っての強いフリクション(摩擦)を発生します。3㎜厚のクロロプレンソックスを履いた状態でのサイズに設定されますので、通常の靴のサイズでお求めいただけます。
【がまかつ】ウェーディングシューズ(フェルト) GM4537 2023年発売
ウェーディングシューズ(フェルト) GM4537紹介WEBページ
クロロプレン製レッグガードが付属し、安定した固定力とシューズ内への砂の侵入を防げる高機能フェルトモデル。素早い着脱とフィット感の調整が可能なファスナーベルトの締め込みにより、適宜の脱着も容易な構造です。軽量設計でフットワーク性に優れ、釣行中の疲労も軽減します。
【リトルプレゼンツ】ライトウエイトWDシューズ II 2021年発売
オーソドックスなフェルト仕様のソールが搭載される、幅広タイプのウェーディングシューズ。
手に入れ安い価格と日本人好みのワイドサイズで、万人のウェーディングアングラーに人気のモデルです。
【プロックス】ウェーディングシューズフェルト底 2023年発売
フィット感と履き心地が人気のプロックスNEWモデル。ワイドフェルトソールが採用され、成人男性の足の幅に応じたフィット感が得られることで、価格帯と共に、発売から人気のモデルになっています。サイズは通常サイズから大きめの設定ですので、普段履きのサイズでお求めになれます。
【Caravan】KR_3XF WIDE 2019年発売
足幅が広めの方にも快適に履いていただけるワイドモデルのフェルトソール仕様。
アッパーデザインによりシューレースが締め込みやすく、フィット感の調整もしやすい構造で、再度締めこむ際にも適度な締め付け感を得られます。傷みやすいつま先からサイド、かかとまでラバーラウンドで補強されますので、ヘビーユーザーの方にも安心してご使用いただけます。
スパイクピン付きラジアルソールのウェーディングシューズ
【ダイワ】ソルトウェーディングシューズ SW-2101 2023年発売
ソルトウェーディングシューズ SW-2101紹介WEBページ
スパイクピンが独自パターンで配置され、グリップ力に合わさる、滑りにくさを得られるラジアルモデル。
足首の自由度を確保する、ソフト仕様のハイカット形状になり、高次元の機動性を実現してくれます。ソールはEVA材で固められ、衝撃の吸収と耐久性に加えた疲れにくさもおすすめなウェーディングシューズです。
【リトルプレゼンツ】ミッドストリームWDシューズ II ラバーソール 2020年発売
ミッドストリームWDシューズ II ラバーソール紹介WEBページ
歩きやすさに思考を向け、登山道や藪漕ぎ、沼地のようなマッディな場所の歩行性はラバーソールの出番です。サーフや干潟でのグリップ性も高く、付属のスタッドを使用すれば、ゴロタ場や磯場を横切る安全性も担保されます。
ラジアルソールのウェーディングシューズ
【ダイワ】ウェーディングシューズ WS-2302C(Vibram) 2023年発売
ウェーディングシューズ WS-2302C(Vibram)紹介WEBページ
Vibram社との共同開発で完成したオリジナルビブラムソールが搭載される、ワイド仕様のラジアルモデル。
ウェーディング以上の歩行距離を有する源流域の山岳釣行では軽量性を発揮し、グリップ力と快適さも同時に体感できます。アッパーにはインビスタ社のコーデュラ素材も採用され、適度な屈曲性と強度を保ちます。
【フォックスファイヤー】ストーンクリーパーR ウェーディングシューズ2021年発売
厚さの異なる2種類のインソールが付属し、日本人に合わせた靴型に製作されるラバーソールのウェーディングシューズ。ワイズ・サイジングシステムによりフィッティング性も抜群になり、快適で軽快な遡行が可能になります。従来のラバーソールWDシューズに比べて、突き上げ感が大幅に軽減されています。
更に気になるウェーディングシューズがご御座いましたら、下記↓↓↓↓のECサイトから検索頂ければ、お気に召すウェーディングシューズが見つかるかも知れません。
ウェーディングブーツの買い方にもそれぞれの考え方がある
ウェーディングシューズは、数万円の高品質・高機能性のものから、一万円を切る高コスパなものまで、用途や耐久性の良し悪しで多岐に渡る価格設定が見受けられます。これらの価格帯の中から、ご自身に見合ったウェーディングシューズをチョイスするとなると、判断に困る場合もあるでしょう。
週末や休みの日だけウェーディングを楽しむアングラー様や、時間を惜しまずフィールドに通い詰めて、ウェーディングを楽しみながら、シューズを酷使してしまうアングラー様など、釣りに対するスタンスもそれぞれです。
ソールの張替えや継ぎ接ぎ修理など、都度メーカー対応などで凌いで、お気に入りのウェーディングシューズを長持ちさせるという手もありますが、修理の期日やスパンを考えると、手元にウェーディングシューズが無いといった空白の期間も発生してきますので、サブシューズの準備も便利だと思います。
ここからはあくまでも管理人の考え方ですが、手頃な価格帯のウェーディングシューズを1シーズンで使い切る・履きつぶすといったチョイスの方法もあろうかと思います。管理人が実践している方法は、手頃なシューズ2足を保持しながら、それぞれを使いまわして、シーズン終了後に状態を見ながら交換していく手法です。そうすれば、手元には常に一足を置いておけ、修理や納入納期期間を気にせずにフィールドに出向くことが出来ます。
本記事のまとめ
今回の記事では、ウェーディングシューズの詳細を紹介してきました。
今記事では、
①ウェーディングシューズ(ブーツ)と磯ブーツ(靴)の違い
②ソール(靴底)を釣り別のフィールドに合わせましょう
③ウェーディングブーツおすすめ16選のご紹介
④ウェーディングブーツの買い方にもそれぞれの考え方がある
として纏めてまいりました。
以上をご参考になって頂き、ご自身に適したウェーディングシューズをチェック頂ければと思います。
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それでは、このブログをご覧になって頂いた皆様が、よりよいフィッシングギアを購入されて、自然と楽しく遊んでくださる事を願って、次回の商品紹介の記事執筆に入らせて頂きます。楽しみにお待ち願えれば幸いです。
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