皆さんは、ウェーディングの最中や移動中に転びそうになったり、深みにハマったりしたことはありませんか?
更には、沢を渡り歩く渓流、岩肌険しい磯場、草木が生い茂る複雑で底が見えにくい湿地帯など、足元がおぼつかない状態でのウェーディングには、転倒や浸水などの危険も付きまといます。時には、干潟やサーフでエイの襲撃を受けることもあるでしょう。
ウェーディング時に、これらの危険を回避するためには、ウェーディングスタッフが便利です。古来からのことわざで「転ばぬ先の杖」という伝承があるように、ウェーディングスタッフは、進行方向の水深やボトムの状態が確認出来、ウェーディングに潜む危険を回避出来る安全装備の一つです。
今回北の住人では、渓流やサーフ・磯場などで安全を第一に考えたウェーディングスタッフの使い方と選び方の説明に加え、人気モデルのおすすめウェーディングスタッフを10選ご紹介して参ります。
是非最後までご覧いただき、釣果をアップさせるためのウェーディングを、より安全に快適に楽しんでいただき、ウェーディングフィールドでの安全釣行を維持して頂ければ幸いです。
安全装備としてのウェーディングスタッフのメリット
冒頭でも述べさせて頂いたように、快適に釣りを楽しめるウェーディングは、多くの危険性も抱えています。
自然、その中でも水という強い力から身を守るため、水難事故多発によるフィールド閉鎖を回避するためにも、活用できる安全装備はしっかり活かしていきたいものです。
ここからは、一度使うと手放せなくなる、ウェーディングスタッフを使用するメリットを見ていきましょう。皆様も経験したことがあるであろう、ヒヤッとしたことがある事象との対比で説明していきます。
深みやスリットを事前に察知≒物理的探知による事故の抑制
ウェーディングの釣りだけでなく、多くの水辺のレジャーで事故が起きやすい事象として、不意な深みに足を取られる水難事故が挙げられます。自分の背丈よりも深い場所で足を取られると、ウェーダーの中にも水が浸水し、浮き上がる、或いは自力で岸に這い上がるのが困難になります。
渓流域や本流域での川釣りでは、流心の深場、岩と岩の間のスリットや溝に足を取られることも多くなり、皆さんもヒヤッとしたことがあるでしょう。目指すポイントへの移動中は気を配っていても、キャストやランディング(魚の取り込み)に夢中になり、周囲の安全確認が散漫になってしまうこともあります。
サーフでも同じことが言え、潮の当たり具合や時化後の地形変化で、思いもよらぬ深みが形成されてしまっている場合があります。干潟や磯場でも、途中までは人工的に護岸形成されている底質から泥地に変化する場所、ハエ根の先からドン深に落ち込む危険なフィールドも見受けられます。
特に、はじめて入るフィールドでは情報も乏しく、進行方向だけでなく、竿を出す自分の周辺も事前に確認しておくことが重要です。目視だけに頼らず、ウェーディングスタッフを使用した物理的な確認をしっかり行うことで、深みにハマる事故は未然に回避できるでしょう。
強い流れから態勢を維持出来る≒支点を増やせる
【渓流から本流域】
ウェーディング時、ダム放水や水門開閉の急激な水圧上昇や、上流部に降雨が有った場合の急な増水など、水流の強さや水量変化で、態勢を維持するのが困難になった事象は思い当たりませんでしょうか。その際、2本の足だけで立つよりも、ウェーディングスタッフも支点にし、バランスを保ちながら態勢を維持することで、流れに体を持っていかれることを回避できます。
【サーフ域】
広域なサーフでは、沖に向かって流れるリップカレント、いわゆる離岸流の発生も多くなります。サーフに立ち込む場合は、岸際から縦方向(直角)に入水するのが基本ですが、これは水の中で横方向に移動している最中に、離岸流に入り込んでしまう危険を回避した防御策でもあります。
それでも気付かないうちに横方向に移動してしまっているのがアングラーの常でしょう。体が受ける水圧や方向に変化が見られた場合、離岸流に入り込んで態勢を維持するのが困難になった場合は、慌てずに、ウェーディングスタッフで支点を稼ぎながら、ゆっくりと流れの外に回避するようにしましょう。離岸流を無理に横切るのは大変危険です。
【干潟や河口域】
遠浅が広がる河口域や干潟では、船舶の往来による航走波や引き波が起こす波の強さにも注意を払い、波が作り出すボトム(底)の地形にも注意が必要です。また、浅瀬では、小型船舶が通る筋は浚渫(船底に底が干渉しないように彫ってある)されて、深場が形成されています。水面からは濁りなどで急な深みや筋が確認出来ない場合もありますので、移動の際はウェーディングスタッフで足元を確認しながら進みましょう。
エイの襲来を事前に察知出来る
ウェーディング時の危険は、地形や波だけではなく、サーフや干潟に生息する、生き物達からも身を守っていかなければなりません。多くのアングラーが、ウェーディング時に干潟で出くわしてしまうアカエイが悪い代表例です。
アカエイの針は、ウェーダー生地を簡単に破ってしまいますので、水中のアカエイに接触してしまうと、思わぬ手傷を追ってしまう事になりかねず、人によってはアナフィラキシーショックで命を落とすケースもあるほどです。
この手の生き物から身を守るためにも、釣り座到着時や、ポイントまでの道中は、砂底や泥底を探れるウェーディングスタッフで、エイとのコンタクトを避けていきましょう。
ウェーディングスタッフの使い方と注意点
前項までで、ウェーディングスタッフの便利さ、危険回避性能はご理解頂けたと思います。
登山や別ジャンルのアクティビティで使用する、トレッキングポール(杖)の使用方法とも差異はなく、バランスを維持しながら足を運べる点では、同一の効果や性能を得られるギアといってもよいでしょう。
ここからは、ウェーディング用にラインアップされる釣り用のウェーディングスタッフの使い方や、使用上の注意点を見ていきましょう。
ウェーディングスタッフの使い方
【進行方向の底の状態・深さを確認する】
ウェーディングスタッフの先端を利用し、底の状態が砂質であるか泥質であるか、或いは岩が点在するエリアであるかを確認していきます。底の情報が事前に察知できると一歩目の足付きに注意が払えます。沈み込みや滑りやすさも同時に把握できますので、不意にバランスを崩さず、慌てない対処で歩行に集中できます。
また、シャフトの長さを活かして水深の計測も出来ますので、歩行ルートを変更しながら、深場へのハマり・ウェーダー内部への浸水も回避できます。
【夜間のウェーディングでは必ず常備したい】
夜間のウェーディングは更に危険度を増してきます。日中のように目視確認も出来ない上に、ヘッドライトを点灯していたとしても、水の中には光が届きずらく、昼間では容易に発見できる係留ロープや、浅場に仕掛けてある定置網のロープなど、底を這う障害物の危険性は多岐に上ります。このような状況下では、ウェーディングスタッフの接触感覚に頼らざるをえなくなり、夜間のウェーディングでは、ウェイディングスタッフは必ず常備しておきたい必須の安全対策ギアです。
打ち寄せる波も夜間では見えずらく、不意に襲われる水圧にバランスを崩して転倒することもあるでしょう。強い波に体を倒されないように、ウェーディングスタッフは常時継いで伸ばして置き、いつでも体を支えられるようにしておいた方が身のためです。
【移動に支障がなければ、いちいち収納しない】
波による態勢維持や、細かに移動を繰り返す渓流域のウェーディングでは、釣りの最中は水から上がるまでいちいち収納しないで、直ぐに取り出して使用出来るように、継いだままにして伸ばしておきましょう。岩を這い上る時など、つっかえたり引っ掛かったりしてしまう場合は、安全を考慮して収納するようにします。
【歩き方を工夫して、3本目の支点としてバランスを維持する】
渓流を渡る時に、白波が立つような急流は避けて通るのが鉄則ですが、どうしても渡り切らなければならない場所では、ウェーディングスタッフを利用した3点バランスを活用しましょう。トレッキングなどでも疲れを緩和させるための常套手段です。
通常歩行では、水の中で移動する時には片足が必ず上がり、片足だけでのバランス制御になりますが、ウェーディングスタッフを突いて歩いていれば、常に2点でのバランスを維持出来ます。ゴロタ場などのように、岩盤ではなく大きめの石が転がるフィールドでも、常に2つの支点で移動できるため、安心感と安全性が倍増します。
ウェーディングスタッフを使用する上での注意点
体重をバランスよく維持出来るウェーディングスタッフですが、ポール一本に完全に体重を預けてしまうのは大変危険です。泥地帯での急な沈み込みによる落水、岩盤や石の上での滑りによる転倒浸水など、予期せぬ事故に見舞われてしまいます。
最悪の場合、ポールの継ぎ目が砕ける破損に至ってしまい、破損箇所が体に刺さってしまう重度の怪我も想定されますので、自分の足2本にプラスαの一本で、重量バランスを維持した移動を心掛けましょう。
ウェーディングスタッフの選び方
ここからは、ウェーディングスタッフをチョイスしていく上で、実際の選び方のポイントを見ていきましょう。多数ラインナップされるウェーディングスタッフの中から、ご自身が扱いやすいシャフトを見繕っていきましょう。
ウェーディングに対しての携行性
ウェーディングスタッフは、テントのポールと同様のマルチピースの多本継ぎ仕様、テレスコピックロッドと同様なスライド式に分けられます。小さく折りたたんだり、短く収納しながらの持ち運び・携行が可能で、フィールドまでの道中の徒歩移動にも支障が出ない作りになっています。
ウェーディング時は、他にも多くのギア類をベストに携行していきますが、それらと同様に、動きに対して支障がない、仕舞寸法がコンパクトに纏まるモデルがおすすめです。腰にぶら下げても嵩張らない、30cmから40cmがベストな仕舞寸法です。
伸縮性(アジャスト機構)
アングラー様毎の体格差(身長)によって、伸縮後の最大寸法を確認していきます。フィールドの深さに左右されない、長めのサイズが使い勝手の幅は広がりますが、長くなればなるほど、継ぎ本数は増えていきますので、携行性も考慮しながらチョイスしていきます。
100cmから130cm、100cmから140cmのように、多段式、且つ段階的に微調整が出来る、アジャスト機構が採用されたモデルが望ましく、身長差やフィールドの深さにマルチに対応可能です。
ウェーディングポールは、仕舞寸法・伸縮寸法共に、cm(センチ)表記とインチ表記に区別されています。1インチ=2.54cmですので、54.75インチであれば、2.54cm×54.75インチ=139cmになります。
ポールの強度と素材を見ていく
ウェーディングスタッフは、体を預けて、命を守る行動でも使用する道具です。そのためには、信頼のおける素材構成と、しっかりした強度の確認も必要です。負荷が掛かっても曲がりずらく、破損しない強度が必要になり、コスト面でも、ハードユース・ラフな環境下で、長期間使用出来る耐久性も見ていきましょう。
メイン素材に使用される強度として、アルミ<アルミ合金<カーボンファイバー製<カーボン・アルミのハイブリッドの順に素材強度は高くなります。強度が高くなればなるほど、それに比例して価格も上がりますが、瞬間的な力の掛かり具合に対する耐久性と安心感を得られます。
おすすめウェーディングスタッフ10選のご紹介
前述までのウェーディングスタッフのメリット、使い方と注意点はご理解頂けましたでしょうか。
ウェーディングスタッフの選び方の説明も踏まえたうえで、ここからは、全国のフィールドで人気モデルのウェーディングスタッフを10選ご紹介して参ります。
併せて、①伸縮サイズ、②仕舞寸法、③素材も紹介して参りますので、気になるウェーディングスタッフをチェックされてみて下さい。
折りたたみ式ウェーディングスタッフのご紹介
【パズデザイン】ウェーディングスタッフⅡ PAC-366 2024年発売
①縮尺サイズ | 140cm |
②仕舞寸法 | 38cm |
③素材 | カーボン製 |
斜め前方の確認がしやすいロングシャフトで設計された、地質が把握しやすい高感度仕様。
最新設計が施され、ティップ部分は金属チップ(カーバイト製)が埋め込んであります。地質や状況に合わせて、先端部分の仕様を切り替え可能なラバーキャップも付属します。
【Perfect Hatch】ウェーディング スタッフ 54 インチ 折りたたみ式 2020年発売
①縮尺サイズ | 54インチ(130cm) |
②仕舞寸法 | 15インチ(38cm) |
③素材 | アルミウム |
組み立ても容易なシャフト構造になる、アメリカ製のウェーディングスタッフです。速乾性のあるネオプレン製の収納ケースが付属しており、携行性高く収納可能です。ダブルショックコードで素早い開閉が可能になり、クリップオンストラップ仕様で、カラビナに吊るしたままの移動も可能です。
【リバレイ】RV ウェーディングストック 5420 2023年発売
①縮尺サイズ | 125cm |
②仕舞寸法 | 35cm |
③素材 | 本体・・・アルミ合金 グリップ部・・・EVA |
錆びや固着に強いシンプル設計で製作される、レギュラーモデルのウェーディングスタッフです。
こちらのリバレイ製も簡易メジャーが搭載され、キャッチ寸法計測が容易に行えます。軽量なアルミ合金で構成され、快適、且つ持ち重りしない携行感を保持します。
【ゴールデンミーン】GMスティック 2018年発売
強化アルミシャフトを採用した、実用性に優れた耐久性を保持するウェーディングスタッフ。
握りやすさを追求した滑りにくいEVAグリップも採用され、とっさに取り出したい時にも円滑な操作が可能。付属のバスケットを先端に取り付けることで、砂地等の柔らかい地面への突き刺さりを防止出来る便利オプションも搭載されます。
【モンベル】U.L.フォールディングポール 113 2024年発売
①縮尺サイズ | 113cm |
②仕舞寸法 | 36cm |
③素材 | アルミ合金 |
超軽量でデイパックの中へコンパクトに収納できる折り畳み式ポールシャフト。
ラチェットボタンの強固な固定が施され、アルミ合金の強靭性は安全釣行を確保します。ウェーディングだけでなく、メイン使用でトレッキングや登山にも使用可能な汎用性です。長めのシャフトをお探しの方は、下段120サイズもチェックされてみて下さい。
①縮尺サイズ | 120cm |
②仕舞寸法 | 39cm |
③素材 | アルミ合金 |
【アキスコ】ウェーディングスタッフ 3PC 2017年発売
①縮尺サイズ | 125cm |
②仕舞寸法 | 34cm |
③素材 | アルミ |
ティップには滑り止めが埋め込まれ、滑りやすい底質でもしっかりホールド出来るウェーディングシャフト。
グリップには弾力のあるEVA材を採用し、握り込んでも疲れにくい形状にセッティングされています。専用ホルダーも付属し、お気に入りの場所にコンパクトに収納可能です。
【シムス】折りたたみ式ウェーディングスタッフ 2023年発売
①縮尺サイズ | 140cm |
②仕舞寸法 | 35.5cm |
③素材 | アルミ合金(超々ジュラルミン) |
超々ジュラルミンの高強度素材で構成される、軽量モデルのウェーディングスタッフ。
多くのストリームアングラーに人気のシムス製のシャフトは、グリップ位置を自在に変更可能なロンググリップも採用し、しっかりとした作り込みにみられる重量バランスも見事です。扱いやすいリトラクターとシースも付属します。
【Gemscream】折りたたみ式ウェーディングスタッフ 2023年発売
①縮尺サイズ | 130cm |
②仕舞寸法 | 35.0cm |
③素材 | アルミ |
バッグにきれいに収まるコンパクト設計になる、便利サイズのウェーディングスタッフです。
屋外での各種アクティビティで、常時使用可能になる2本組のセットになり、収納袋も付属します。頑丈で耐久性があるアルミニウムで構成され、快適なフォームハンドルも採用し、水辺での使用も想定に入れた使いやすさと効率性を保持します。
スライド式ウェーディングスタッフのご紹介
【キャプテンスタッグ】FEEL BOSCO トレッキングステッキ Tグリップ 2017年発売
①縮尺サイズ | 95cm |
②仕舞寸法 | 45cm |
③素材 | アルミ合金 |
超コンパクト設計に仕上がるトレッキング用ステッキ。
小柄な方や、女性の方にもベストなサイズ設定になり、85~95cmの間で3段階に調整可能です。
付属のバスケットを装着すれば、軟弱地盤や砂底にもフィットし安全を確保できます。
【サンライク】カーボン トレッキングポール 2021年発売
①縮尺サイズ | 130cm |
②仕舞寸法 | 61cm |
③素材 | カーボンファイバー |
軽量カーボンをメイン素材に据えながら、手に入れやすい価格設定で提供されるスライド式のトレッキングポールです。加重に対する強い直立性もおすすめポイントになり、長時間使用しても疲れにくい本体重量で、縦横無尽な移動が楽しめます。バスケットと先端ゴムも付属し、フィールドに応じた使い分けで便利にご使用いただけます。
更に気になるウェーディングスタッフが御座いましたら、下記↓↓↓↓のECサイトから検索頂ければ、お気に召すウェーディングスタッフが見つかるかも知れません。
本記事のまとめ
今回の記事では、ウェーディングスタッフの詳細を紹介してきました。
今記事では、
①安全装備としてのウェーディングスタッフのメリット
②ウェーディングスタッフの使い方と注意点
③ウェーディングスタッフの選び方
④おすすめウェーディングスタッフ10選のご紹介
として纏めてまいりました。
以上をご参考になって頂き、ご自身に適したウェーディングスタッフをチェック頂ければと思います。
ウェーディングスタッフの説明を更に詳しく知りたい方は?
ページ最下部に「お問い合わせ」項が御座いますので、そちらからご連絡頂ければ、少々お時間を頂いた上で、調査、確認後にご回答いたします。
それでは、このブログをご覧になって頂いた皆様が、よりよいフィッシングギアを購入されて、自然と楽しく遊んでくださる事を願って、次回の商品紹介の記事執筆に入らせて頂きます。楽しみにお待ち願えれば幸いです。
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