シマノにラインナップされているスピニングリールの中でも、上位グレードに位置しながら、特に異彩を放つ歴代ツインパワー。新たに2024年1月12日にシマノから正式発表が下され、2024年モデルが公表されたことで、ツインパワーフリークの注目の的になり、発売日を前にして事前予約が殺到している状況です。
進化したスーパースローオシュレーティングシステム(超密巻き)搭載モデルは欲しいが、ステラやヴァンキッシュには手が出せない!というところに、ツインパワーにも新たに搭載され、これなら何とかなる!というのがアングラーの信条でしょう。かく言う管理人もその中の一人です。
ステラ・ヴァンキッシュに迫るとも劣らない、高性能進化を遂げた2024年モデルのツインパワーの機能性を分析していきましょう。
シマノスピニングリール最新最上位モデルの価格帯比較
リールを比較・検討していく上で、まずは気になる価格帯を上位モデルと比較してみましょう。
2000番・2500番・4000番から、売れ筋の型番をピックアップし、定価(本体価格)と実売価格で比較していきます。
【定価(本体価格)】
番手 | C2000S | C2500S | C5000XG | SHIMANO WEBページリンク |
22ステラ | ¥92700 | ¥92700 | ¥98300 | ステラWEBページ |
23ヴァンキッシュ | ¥65300 | ¥65300 | ¥68500 | ヴァンキッシュWEBページ |
24ツインパワー | ¥53500 | ¥54000 (正サイズ) | ¥56000 | ツインパワーWEBページ |
ステラとツインパワー の差異 | ¥39200 | ¥38700 | ¥42300 | |
ヴァンキッシュと ツインパワーの差異 | ¥11800 | ¥11300 | ¥12500 |
【実売価格(Amazon売価)】
番手 | C2000S | C2500S | C5000XG | Amazon価格 |
22ステラ | ¥66015 | ¥66391 | ¥72609 | Amazonステラ価格 |
23ヴァンキッシュ | ¥48636 | ¥48781 | ¥49521 | Amazonヴァンキッシュ価格 |
24ツインパワー | ¥44167 | ¥44581 (正サイズ) | ¥45628 | Amazonツインパワー価格 |
ステラとツインパワー の差異 | ¥21848 | ¥21810 | ¥26981 | |
ヴァンキッシュと ツインパワーの差異 | ¥4469 | ¥4200 | ¥3893 |
ツインパワーとステラを売価(実売価格)でそれぞれを比較すると、どの型番を見ても、中間グレードの新型スピニングリールが1機購入できるほどの価格の際(開き)が見られます。また、ツインパワーとヴァンキッシュの売価比較では、上位グレードのPEラインを2回購入できる程度の開きがあります。
高価なギアを購入検討する場合、上位グレードとの価格の開きをどう考えるか、タックルの揃え方や合わせ方など、価格差≒機能性をご自身の経験値と照合しながら、お財布事情とも相談が必要になってくるでしょう。
24ツインパワーとシマノ上位モデルの性能比較
価格帯を把握したうえで、搭載機能を天秤にかけてみましょう。24ツインパワーから見る、上位モデルとの機能搭載有無をチェックしておけば、アングラー様のニーズと売価の合点が見つかるはずです。
耐久性と強さの比較
ツインパワーの真骨頂は、シマノ自らが唄う「質実剛健」になります。
ギア類や駆動部、筐体におけるまで、搭載テクノロジーの性能を、負荷が掛かった状態ても、長期に渡って維持出来る耐久性の高さがツインパワーの最大の特徴と言ってもよいでしょう。未だ管理人が保持する、05ツインパワーの現役性能の高さがそれを物語っています。
【ボディー素材と耐久仕様】
ツインパワーにも、2020年モデルから、シマノ高強度独自素材のCI4+がボディー要所に採用され、今回の2024年モデルにも継承されています。ベース素材のアルミニウムとのハイブリッド採用になり、価格コストに折り合いを付けながら、強度維持を獲得しています。
メイン素材 | 要所素材 | ギア構造 | シーリング | ベアリング | |
22ステラ | マグネシウム | アルミニウム | インフィニティクロス | X プロテクト | S A-RB |
23ヴァンキッシュ | マグネシウム | CI4+ | インフィニティクロス | X プロテクト | S A-RB |
24ツインパワー | アルミニウム | CI4+ | インフィニティクロス | X プロテクト | S A-RB |
巻き感覚と耐久性に追従する、パワーを長期間維持出来るギア構造と巻き上げ性能(構造)、内部ダメージを抑制する防塵・防水両方にはXプロテクトと防錆ベアリングが採用され、当然のことながら、シマノが上位モデルのスピニングリールに採用する耐久性仕様は全て組み込まれています。
ここで本体価格に添加されてくるのが、メイン素材・要所素材の原材料価格と加工費です。軽量化と回転フィーリングアップの手段として有効な、マグネシウムをメイン素材に据えるステラとヴァンキッシュには、ツインパワーのアルミニウム構成と比較すると、材料費+加工費が1.3~1.5倍上乗せされてきます。
マグネシウムとアルミニウムは、強度・耐久性的には過度な差は見られず、違いが見られるのは金属の比重です。ステラ・ヴァンキッシュ・ツインパワーの価格差については、強度と耐久性は同列でありながらも、回転フィーリングと本体重量に差別化を持たせてあるようです。
回転性能と巻き上げフィーリング
繊細、且つセンシティブなバイト(アタリ)をキャッチしなければならないソルトでのライトゲームや、渓流・管理釣り場でのトラウト釣りをメインのフィッシングスタイルにされている方であれば、回転性能もリール選びの重要な要素になってきます。フィーリングや巻き感に強い拘りのある方にも、チェックしておかなければならないポイントになります。
駆動構造 | ギア支持構造 | 静粛性 | ローター材質 | ギア歯面設計 | |
22ステラ | インフィニティドライブ | Xシップ | サイレントドライブ | 金属ローター | マイクロモジュールギアⅡ |
23ヴァンキッシュ | インフィニティドライブ | Xシップ | サイレントドライブ | MGL マグナムライトローター(CI4+) | マイクロモジュールギアⅡ |
24ツインパワー | インフィニティドライブ | Xシップ | サイレントドライブ | 金属ローター | マイクロモジュールギアⅡ |
回転性能と巻き上げフィーリングに直結する機能として、上表の5つの機能によるものが挙げられます。
MGLシリーズ(低慣性仕様≒低イナーシャ)の筆頭格にラインナップされるヴァンキッシュのみ、CI4+で造形されるローターを採用していますが、その他の機能は全機種共通の仕様です。
引き抵抗の強いルアーや重量ルアーのリトリーブ中のラインテンション、ファイト時のローターの変形量(たわみ)は、硬質な金属ローターに抑えの効果があり、負荷が掛かった時の滑らかな巻き感は、22ステラや24ツインパワーが上位に来ます。
逆に、金属ローターと比較し、極限まで軽量化(30%前後)を目指したマグナムライトローターを搭載する23バンキッシュは、22ステラや24ツインパワーよりも、巻きの軽さと惰性を抑えた低慣性が際立ちます。
キャスト性能とライントラブル回避性能
24ツインパワーの搭載機能の中でも、特に機能性を把握しておきたいのが、22ステラと23ヴァンキッシュに先だって搭載された、スーパースローオシュレーティングシステム機構とアンチツイストフィンの搭載です。
【スーパースローオシュレーティングシステム】
スローオシュレーティングシステム機構によるインフィニティループ(密巻き)仕様は、初採用は2000年初頭まで遡り、シマノ上位モデルの各スピニングリールに搭載されました。しかし、これがなかなかの曲者機構で、ノーマル使用下でのライントラブルが多発により、22ステラで復活するまで、それ以降の搭載は見送られていました。
ラインが綺麗に整列して巻き取られることで、キャスト時のライン放出抵抗は圧倒的に抑えられ、キャスト飛距離アップとフィーリングアップに繋がりました。しかし、逆に上からラインが抑えられないこと、ラインとラインの間に噛みこみが起きることで、軽量リグ・ルアーのキャスト時に、ラインがボワッと束で放出されてしまうライントラブルに至っていました。
ここからシマノのギア技術は発展を遂げ、密巻きを超えた超密巻きに進化し、内部ギア構造の大幅なブラッシュアップにより、スプールが上下動する速度を圧倒的に低速化(ローギア化)することに成功しました。スローオシュレートからスーパースローオシュレートになることで、密巻きの状態で下層のラインを抑え込むことに繋がり、ライントラブルの発生を大幅に抑えることに成功しています。
アンチツイストフィンの搭載
どんなスピニングリールでも起こり得る現象ですが、テンションが低い状態でラインを巻き取ると、スピニングりール特有のラインヨレの巻き込みがあります。特に細いPEライン使用下では顕著に見られる現象で、軽量リグ・ルアーのリトリーブや、大きくラインスラッグが出るエギングのシャクリでは、ラインテンションフリーの状態が生まれやすくなり、ラインヨレの発生頻度も高くなります。
また、ロッドを立てた状態で、ラインテンションが低い状態で巻き取りに入ると、ラインローラーからラインが垂れやすくなり、スプールの下方にズレて巻き取る現象も発生します。
これらのライントラブルを一挙に解決してくれるのがアンチツイストフィンです。
下方へのラインの弛みや垂れ下がりをアンチツイストフィンでブロックし、ラインローラーとフィンの間に絶妙なクリアランス(隙間)設けて、ラインヨレを物理的に解消しながら巻取りに移行できる、簡素な機構に見えて、画期的なライントラブル対策なのです。
滑らか且つ安心のドラグ性能
24ツインパワーへもデュラクロス素材のドラグワッシャーが採用され、シマノ上位モデルの汎用スピニングリール全てのドラグ性能がイコールになりました。質実剛健のツインパワーにデュラクロス製ドラグが合わさり、まさに「強さがはっきりと見えるスピニングリール」に進化を遂げています。
番手形式から見る釣りへの活用
2000番から5000番まで、今モデルも幅広くラインナップされる24ツインパワーですが、それぞれの番手に適した釣種や釣り方を見ていきましょう。番手を比較して、使用領域にオーバーラップさせたチョイスが出来れば、複数種のターゲットやフィールドで機能性高く、応用性を利かせた使用が可能になってきます。
2000番サイズ
シマノにラインナップされる2000番サイズは、ほぼすべてがCサイズ(コンパクトボディー)のラインナップになります。1000番のボディに2000番のスプールを搭載した番手設計になり、ドラグパワーも2000番と同一になります。
【淡水域の釣り】
渓流域や管理釣り場のイワナやヤマメのトラウト釣り、湖沼域のフィネスタックルでのバス釣りに適しています。本流域から河口域では、ハゼのルアー釣りからエサ釣りまで、ライトな狙い方の釣法に幅広くご使用いただけます。
【海水域の釣り】
アジングやメバリングを主体にした、ライトソルトゲームからライトロックゲームに適しています。
2500番サイズ
2500番サイズには、シャロースプールモデルの2500S、コンパクトサイズにシャロースプール、ハイギアが搭載されるC250000SHG、エクストラハイギアが採用されるC2500SXGの3モデルがラインナップされます。
【淡水域の釣り】
2500Sはバス釣り用のスタンダードモデルとしてラインップされ、多くのバス釣りメソッドに活かせます。
【海水域の釣り】
C250000SHGとSXGは、アイナメやカサゴ・クロソイを狙ったライトロックゲームや穴釣り、ラインスラッグ回収を頻繁に行うエギングなど、ハイスピードのギア性能を活かした釣りに適しています。
3000番サイズ
3000番サイズには、コンパクトサイズのC3000、ミディアムディープスプールとハイギアが搭載されるC3000MHG、ハイスピードのエクストラハイギアが搭載されるC3000XG、ミディアムディープスプールとハイギアが組み合わされる3000MHGの4モデルがラインナップされます。
【淡水域の釣り】
本流域でのサクラマスや大型トラウト狙い、都市型河川や水路・河口域を撃って行くシーバス釣りやチニングゲーム、湖沼でのレイクジギングなど、淡水域の中でも、パワー溢れる大型クラスの魚種との対峙に適しています。
【海水域の釣り】
幅広いソルトゲームに追従する3000番は、遠投を基本にするスーパーライトショアジギングや、サーフ・干潟でのシーバス狙い、根魚を狙うロックフィッシュゲームなど、ギア比とスプール形状を合わせていくことで、多岐に渡る使い方が可能です。
4000番サイズ
ソルト(海釣り)での釣りに、最も広い使用領域を誇る4000番モデルは、各種の使用用途に合わせて、ミディアムディープスプールの4000M、パワーギアとスローな誘いで大物狙いに特化出来る4000PG、ソルトルアーフィッシングに好適性な、ハイギアとミディアムディープスプールが組み合わされる4000MHG、高速リトリーブとワイドアクションに追従する4000XGがラインナップされます。
【淡水域の釣り】
本流域や湖沼を遠投で狙うでのサクラマス釣り、スピニングタックルで狙う大型ナマズや雷魚釣りにも、ギアパワーを活かしたファイトが楽しめます。ベイトを追って、中流域まで遡上する大型シーバスとの対峙にも適性の高さを見せてくれます。
【海水域の釣り】
ライトショアジギングやサーフでのルアー釣りなど、遠投性能を必要としながら、強烈な引き込みを見せる大型魚種に対し、バーサタイル性高く立ち回れるのが4000番モデルです。スプール仕様とギア比を吟味して、各種の大物釣りに幅広くご使用いただけます。
5000番サイズ
5000番モデルではC5000XGのみが設定され、大型魚種対応のラインキャパに準じるスプールが搭載されます。本体重量は265g、PEライン2号が300mストックできるラインキャパになり、ショア(岸釣り)だけでなく、オフショア(沖釣り)の釣りにも対応可能なパワーを保持します。ラウンドハンドルノブ+ロングハンドルも搭載され、パワー溢れる釣法に適した番手サイズです。
【淡水域の釣り】
本流域や湖沼をメインフィールドにするアングラー様には少々キャパオーバーの番手です。使えないわけではありませんが、手返しや操作性においては4000番以下のモデルのチョイスをおすすめします。
【海水域の釣り】
各種フィールドで大型青物を狙うライトショアジギング、サーフからのヒラメや大型シーバス狙いなど、ランカーサイズのヒットが想定される釣りにおすすめの番手です。オフショアジギングやキャスティング、大型ヒットの確率の高い、生き餌を使った泳がせ釣りやぶっこみ釣りにも適正高く使用出来ますので、この番手を保持しておけば、多方面の海釣りで活躍してくれます。
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今記事のまとめ
今回の記事では、2024年モデルのツインパワーについてのインプレと、注目搭載機能と性能分析について纏めてきました。
今記事では、
①シマノスピニングリール最新最上位モデルの価格帯比較
②24ツインパワーとシマノ上位モデルの性能比較
③番手形式から見る釣りへの活用
として纏めてまいりました。
以上をご参考になって頂き、2024年モデルのツインパワーを見極めていただければと思います。
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