今回の北の住人の記事では、オフショアジギングの中でも、スロージギング専用ベイトロッドに合わせて使用したい電動リールをご紹介して参ります。大型魚種・青物を狙うことが出来るスロージギングは、今般、人気絶頂のオフショアゲームになり、それに合わせた電動リールも続々とリリースされています。
中深海から深海を攻めるスロージギングは、手巻きリールで魚のパワーを感じ、ファイトを楽しむのも情緒があり良いものです。しかし、狙うレンジが深いことと、巻き上げてくるラインの長さに魚のパワーが加味された疲労度は、ターゲットにする魚の大別、アングラーの体力的な部分にもよりますが、ゲームが終わった後には疲労困憊になっています。少なくても管理人は、手巻きリール使用時はいつもこの状態に陥り、電動リールのありがたみを深く実感しております。
今記事では、操作性とパワー、機能性能と持久力を兼ね備え、太糸を適正量ストック出来る電動リールを厳選して11選ご紹介して参ります。
管理人保持のモデルはじめ、コミュニティからのおすすめモデルを主体にご紹介して参りますので、是非最後までご覧になっていただき、今後のジギングゲームを楽しめる、最高のチョイスの参考になさって頂ければ幸いです。

スロージギング向き電動リールの選び方とスペックの見方
現在リリースされている電動リールは、以前のような大型ボディーで嵩張ってしまう仕様とは違い、ハイパワーと小型軽量化に特化され、様々な機能が搭載されたパーミング感抜群のモデルが多数出揃っています。
ここでは、電動リールをチョイスする際の仕様の見方から、機能の説明を記載していきます。
番手(大きさ)の選び方
電動リールは、各メーカー様毎にリールの大きさを表す番手(型式)の数字に大きな違いがあります。
各メーカー様毎に番手や形式の表記が異なり、大きさや番手をイメージ出来ないのが実状ですが、電動リールについては、スピニングリールやベイトリールの番手表記に加え、ボディーサイズや重量、モーター出力が加味されて番手表記が決定します。
近海から中深海を狙うスロージギングや、大型青物をターゲットにするジギングでは、巻き上げパワーと糸巻き量、ジグをアクションさせる際の操作性を鑑みると、
シマノ⇒~3000番
ダイワ⇒~500番
テイルウォーク⇒150番
が、妥当な大きさになります。
以上のサイズであれば、アクションが激しいジギング、スロージギングだけでなく、タイラバからタチウオの各種ゲーム、メタルジグと同種のシンカーサイズを使用したエサ釣りにも適応可能な大きさになりますので、ゲーム展開出来る幅が広がります。
最大巻き上げ力(モーターパワー)
シマノのMUTEKIモーター⁺、ダイワのマグマックスGモーターなど、現在仕様の電動リールに搭載されているモーターは、次世代モーターと呼ばれる、半永久磁性を持たせたマグネットを出力とするブラシレスモーター、小型ブラシモーターになっています。以前の同サイズのモーターより内部コイルの体積を増やせることになりますので、モーター出力(モーターパワー)と耐久性は高レベルでアップしています。
オフショアジギングにベストなサイズになるダイワ300番、シマノ2000番クラスでも、巻き上げトルク(パワー)は最大値で40kgを超え、アベレージトルクでも15kg前後の力を発揮してくれます。
スピードコントロール(スピコン)仕様
ジギングの中でもスロージギングのターゲットになる魚は、分厚い唇を持っている割には身切れしやすく、巻き上げスピードをコントロールして巻き上げてくる作業が重要になってきます。
巻き上げトルクを自動で感知するオートコントロールや、微分(回転数)調整など、今般の電動リールには、必ず搭載されている便利な調整機構ですが、電動リールでジギング楽しむ場合、必須の機能になります。
逆に述べますと、この機構が搭載され始めたことで、ジギングに電動リールを用いるアングラーが増え始めましたね。
バッテリー及び電源の重要性
現在リリースされている最新モデルの電動リールは、先述したように、ハイスペックのモーターが搭載されています。電動リールのモーターは、入力電源の周波数が適正に安定しなければ、正常な働きが出来なくなります。
コイルへの通電が不安定になることで、都度、回転停止から起こる巻き上げ異常が発生し、内部の回路やエンコーダー(回転速度計測センサー)、駆動ギアに損傷をあたえてしまう場合もあります。高価なリールでもありますので、損傷は避けたいものです。
ボートや乗合船でも船内バッテリーを搭載し、アングラーまで供給出来るシステムがありますが、出来る限り、リールと同メーカーのポータブルバッテリーを持参することをおすすめいたします。
リールに合った安定した電源を確保しながら、電動リールに優しい釣りを楽しみましょう。
標準糸量
使用するラインの太さは、ターゲットにする魚種や大きさ、潮流の速さによっても異なりますが、スロージギングでは、概ねPE2号から3号が平均的な種別と太さになります。スプールには200m以上は巻いておき、ラインの高切れ、魚の引き込みや走りに備えます。
スロージギングは、ボトムに着底するまでの間にもヒットチャンスがあり、管理人の経験上、スロージギング時の大型青物ヒットはフォール中に多くあり、フッキング後は、そこから一気に走られるパターンが多く感じられます。簡単に200mは引き出されますので、こちらの対策を講じておくことも必要です。
スロージギング向き電動リール11選のご紹介
先述のスペック説明に即した、スロージギング向き電動リールご紹介して行きます。
下記に①重量、②ギア比、③標準糸量(下巻きナシ)、④最大巻き上げ速度(長さ/回転)、⑤巻き上げパワー、⑥スピコン有無、⑦ドラグ仕様、⑧総評を記載していきます。
【テイルウォーク】ELAN SW DENDO 150 2019年発売
①435g ②5.0:1 ③PE2号-200m ④150m/1分間 ⑤-kg ⑥30段階調整 ⑦カーボンワッシャードラグ
⑧総評 手の中にすっぽり納まるシェイプボディーで、ジギングでのジグアクションでも嵩張らずに操作できる小型モデルの電動リールです。任意調整出来る30段階の巻き上げコントロールで、ファイトの強さに応じたゲームが楽しめるジギング対応電動リールです。
【シマノ】ビーストマスター EJ 3000 2020年発売
①810g ②3.9:1 ③PE5号-420m ④195m/1分間 ⑤13kg ⑥楽楽モード/速度一定モード ⑦サーモアジャストドラグ
⑧総評 安心感に余裕を持てる3000番のHAGANE素材の筐体と、NEW GIGA-MAX MOTOR採用で40%のモータートルクアップが実現された、大型魚種対応の電動リール。シマノお家芸の探検丸とのリンクで、魚探情報も確認しながら高次元での操作が可能になっています。
【シマノ】ビーストマスター 3000EJ 2021年発売
①810g ②3.9:1 ③PE5号-420m ④195m/1分間 ⑤13kg ⑥楽楽モード/速度一定モード ⑦サーモアジャストドラグ
⑧総評 シマノが謡う、電動ジギング最強モデルのハイスペック電動リール。ギガマックスモーターに強化ギアシステムが組まれた巻き性能は、狙いのレンジへのジグリリース速度含めて、インターバルを短く、手返しの良い操作が実現されています。視認しやすいカラー液晶パネルと探検丸との高機能連動を駆使して、釣果アップの最大の武器になるでしょう。
【シマノ】ビーストマスター 2000 2022年発売
①690g ②5.1:1 ③PE3号-500m ④215m/1分間 ⑤9.5kg ⑥楽楽モード/速度一定モード ⑦サーモアジャストドラグ
⑧総評 更なる小型ボディーで、アクション性豊かなロッドワークを信条にされたいアングラー様には、こちらの軽量ハイパワーモデルがしっくり来るでしょう。マニュアルとオート切り替えのEJモードに加えアドバンスモードは、ロッドワークとの組み合わせで、多彩なジグアクションで魚を誘え、最大限の釣果に貢献します。
【シマノ】ビーストマスター 3000XP/3000XS 2016年発売
①845g ②3.9:1 ③PE4号-400m ④XP=170m/1分間 XS=215m/1分間 ⑤XP=13kg XS=10kg ⑥楽楽モード/速度一定モード ⑦サーモアジャストドラグ
⑧総評 双方のモデル仕様が区別され、パワー重視のXPと、手返しとスピードアップが図られたXS。現在モデルの先駆けになったハイパワー電動リール。世代を超えたフラッグシップ性能と剛性感は、各種のゲームにおいて、現代においても他の追従を許さない圧倒的な人気を誇っています。
【シマノ】フォースマスター 3000 2022年発売
①795g ②3.9:1 ③PE4号-450m ④170m/1分間 ⑤11kg ⑥楽楽モード/速度一定モード ⑦サーモアジャストドラグ
⑧総評 新たにヒートシンク構造になるヒートフリーシステムⅡが搭載され、MUTEKIモーターの熱ダレによる速度低下が改善された最新モデルのジギング対応電動リールです。更には、進化を遂げた強化ギアシステムが組み込まれ、圧倒的な巻き上げパワーと、電機的な耐久性も相乗的にアップされています。オフショアジギングをはじめとした、各種の釣りに適応するバーサタイル性も魅力の一機です。
【シマノ】フォースマスター 2000 2016年発売
①685g ②5.1:1 ③PE3号-500m ④210m/1分間 ⑤8.5kg ⑥楽楽モード/速度一定モード ⑦クロスワッシャードラグ
⑧総評 e-センタリングシステムも装備され、フォールからジャーキングまで、トラブルレスで快適にゲームに専念できる電動ジギングモデル。ロープロファイル化された2000番ボディーと、3000番を思わせるパワー、スムーズなラインの出力と剛性感も同時に兼ね備えた、パワーファイト向きの電動リールに仕上がっています。
【シマノ】プレイズ 3000XP 2018年発売
①690g ②3.9:1 ③PE4号-400m ④150m/1分間 ⑤7.5kg ⑥楽楽モード/速度一定モード ⑦クロスワッシャードラグ
⑧総評 PLAYS 3000にさらなるパワーを装備させ、実用巻上持久力7.5kgが達成されたプレイズの新型モデル。多種に渡る高機能が搭載された上に、初見の方やビギナー様にもお求めやすい価格設定になっています。操作性を重視されたいアングラー様には、従来モデルの3000もおすすめになります。
【ダイワ】レオブリッツ 300J 2023年発売
①540g ②5.1:1 ③PE3号-400m ④145m/1分間 ⑤11kg ⑥オートコントロール(電動スロー巻上げ) ⑦ATD
⑧総評 お求めやすいレオブリッツにもジギングモードがインストールされ、アングラーの体力にも優しい電動ジギングリールです。新規にMAGMAX-Gモーターも搭載され、従来モデルの4倍の耐久強度が確保されています。
レベルワインドも一新され、内径3.0mmでの30号ショックリーダーの結びこぶも通る安心設計になり、電動リール手始めの一機としても、機能性抜群に満足いただけると思います。
【ダイワ】シーボーグ 300J 2020年発売
①560g ②5.1:1 ③PE3号-400m ④150m/1分間 ⑤14kg ⑥オートコントロール(電動スロー巻上げ) ⑦ATD
⑧総評 MAGMAX MOTORによるMAXパワーと、スムーズでオートコントロールが働く、高機能でコストパフォーマンスが高い電動リールです。シーボーグの良さである取り扱いの簡易性と、シンプルな操作性に隠れた強靭な心臓部は先代モデルからも継承され、自重560gの軽量化されたボディーで、更なるオフショアジギングの楽しみを見出すことが出来ますよ。管理人も保持するおすすめのモデルです。
【ダイワ】シーボーグ G300J 2021年発売
①575g ②6.0:1 ③PE3号-400m ④146m/1分間 ⑤14kg ⑥オートコントロール(電動スロー巻上げ) ⑦ATD
⑧総評 300Jをベースに、モーター耐久性のアップと軽量コンパクトボディーでジギングゲームでの操作性も上位を行くパワー仕様の電動リール。外装に設置されるフォールブレーキダイヤルの調整を活かし、サミングいらずのフォールでレンジを直撃出来ます。ジギングモードのアクションで、バイトパターンの再現性もアップされます。
更に気になる電動リールが御座いましたら、下記↓↓↓↓のECサイトから検索頂ければ、お気に召すリールが見つかるかも知れません。
電動リールを扱う注意点
電動リールを起動させる際の各種バッテリーについては、リールと同メーカーの純正モデルの使用を強くおすすめします。電動リールは、今般リリースされるモデルのように、高性能になればなるほど、安定した電圧と周波数が必要になってきます。
モーターを動かすためのドライバー(モーター制御基板)は電源異常に弱く、メーカー様設計時でのスペック確認でも、自前のバッテリーを使用して算出し、最終検査でも同様の電源を使用して品質を確保しています。
高価なリールを守るため、安定した状態で長期間使用できるように、純正バッテリーには拘って使用頂きたく思います。最悪の場合、異常電源や他社バッテリー使用下での破損は免責も利かなくなる恐れもあります。
リールのお手入れ方法
先にも述べたように、リールは完全なる精密機械です。高価になればなるほど、大型に成ればなるほど精密具合や精度が増していきます。
管理人は精密機器の設計開発を本業としておりますので、その観点から最低行いたいお手入れ方法をご紹介します。
実績としては2007年式メタニウムと2003年式ツインパワーは、今だメインフィッシングギアとして現役で活躍してくれています。
・メンテナンス頻度は釣行時毎回行うのが理想です。例えば、3日連続で釣行する場合、1日毎行うようにしましょう。この積み重ねが、高価なリールを正常な状態で維持するコツです。ロッドも同じです。
・ドラグを緩めてスプールを外します。その後、手で分解出来る箇所は、しっかり分解してから真水(無ければ水道水)で洗浄します。
・その後、日陰干しで完全乾燥させます。日向は厳禁です。急激な水分蒸発で、水に含まれているカルキやカルシウムが部品上で結晶化してしまい、固着や異音の原因になります。また、固着していた異物が剥がれ落ちて、ベアリング内部やギア類に噛みこみ、動作不良の原因にもなります。
・乾燥後、綿棒を使って、細部やベール周辺、回転部を乾拭きしますが、けば立った糸くずは内部に残さないように注意が必要です。
・乾拭き後、リールメーカー純正のグリスとオイルで注油を行います。高速回転するシャフトを支持する両ベアリング(スプールシャフト含む)にはオイルを注油、ハンドルノブや低速回転部はグリスを塗布するようにしましょう。狭い箇所には、ティッシュペーパーやピンセット先端に少量付けて回転部を回してオイルを送り込みます。いずれも、油膜が出来る程度のほんの少量にします。注油量が多すぎると、逆に異物やゴミを呼び込んでしまいます。
・ラインローラー部(内部にベアリング有)は、綿棒や細く絞ったティッシュペーパーで綺麗に乾拭きだけにします。この部分は、一番外に面している部分ですので、先にも述べたように、注油してしまうとゴミや異物を呼び込み、かみこんでしまいますので、注油は要注意です。
・その後、元通りに組み上げて、回転部を回して、異常が無ければ終了です。その後はリール収納ケースや個別の収納BOXに保管し、ゴミの付着を防ぎましょう。
ばらしてから組み上げる自信がない方は、スマホなどで動画を撮りながらばらし、逆の手順で組み上げると忘れ防止になります。

各メーカー様の純正注油をご紹介
ここからは、リールメーカー様純正グリスやオイルをご紹介して参ります。
リールメンテナンス時の注油にお役立て願えればと思います。
ダイワ純正注油セット
ダイワ リールオイル2
ダイワSLPワークス メンテナンスグリス104.
シマノ純正注油セット
シマノ ディスクドラググリス DG09
アブガルシア純正グリス
アブガルシア メンテナンスキット
本記事のまとめ
今回の記事では、スロージギング向き電動リールの詳細を紹介してきました。
今記事では、
①スロージギング向き電動リールの選び方とスペックの見方
②スロージギング向き電動リール11選のご紹介
③電動リールを扱う注意点
④リールのお手入れ方法
として纏めてまいりました。
以上をご参考になって頂き、自身に適した電動リールを選択頂ければと思います。
スロージギング向き電動リールの説明を更に詳しく知りたい方は?
ページ最下部に「お問い合わせ」項が御座いますので、そちらからご連絡頂ければ、少々お時間を頂いた上で、調査、確認後にご回答いたします。
それでは、このブログをご覧になって頂いた皆様が、よりよいフィッシングギアを購入されて、自然と楽しく遊んでくださる事を願って、次回の商品紹介の記事執筆に入らせて頂きます。楽しみにお待ち願えれば幸いです。
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