今回の北の住人の記事では、サクラマスゲームのシーズンに向け、ロッドに合わせておきたいスピニングリールのご紹介になります。ミドルスペック機種保持で一段ランクアップされたい方、新規に購入されたい方向けに、価格的にもお求めやすいスピニングリールを分類し、厳選して13選ご紹介して参ります。
強い引きとファイトを楽しませてくれるサクラマス。それでいながら、ショートバイトやバイト弾きが多いのもアングラーにとっては悩みの種ですね。そして口切れが多発するのもサクラマスゲームの特長の一つです。
そんなサクラマスのバイトを『滑らかなリーリング』で拾って、且つ『パワフルなファイトに対抗』できるパワーを併せ持ったスピニングリールを、番手・ギア比・ドラグ機構の説明を加えながらご紹介して行きます。
是非ご覧になっていただき、ご購入の参考になさって頂ければ幸いです。
海サクラマスゲームに必要なリールのスペック
ショアから狙うサクラマスゲームの釣果は、ショアジギングやシーバスゲーム以上にリールの性能に左右されてきます。ルアーも軽量になり、サーフからのゲームが多くなるため、使用するスピニングリールには確かな遠投性能も求められてきます。
そんな、シビアなゲームを楽しむためには、どのようなスペックを確認しなければならないか、下記に説明を加えていきます。
リール番手
サクラマスゲームで使用するリール番手は、3000番から4000番が適正になります。
スピニングリールは、ハイエンドな高価格なリールであっても、大型になればなるほど、リトリーブから伝わってくる微細な違和感やショートバイトが感じずらくなってきます。
リール筐体やベイル、ラインローラー部含めて、金属量が増えてくることによって、メインラインから伝わる感触、リトリーブからハンドルに伝わる違和感が、金属、他のパーツ類にも吸収されていってしまいます。
サクラマスのバイトは一日通して数回レベルあればよい方ですので、この数少ないチャンスはしっかりモノにして行きましょう。3000番から4000番の番手は、ショアジギングやシーバスゲームにも転用が利く大きさですので、1台保持しておけば多方の渡る釣りに応用できます。
ギア比
サクラマスを狙うシーズンは、冬季間から春先の季節に集中し、風が強い日が多いものです。
向かい風・横風・追い風、どの風でも、キャスト後は大きな糸ふけが出てしまいます。この糸ふけを素早く回収して、いち早くリトリーブに移らなければなりませんので、効率よく糸ふけを回収するためにも、ハイギア(HG)以上のギア比を選択しましょう。
また、ミノーやメタルジグをキャストしてからの高速リトリーブ、着水ポイント以外の場所にボイルやジャンプ、シモリを見つけ、早くそちらにルアーをリリースしたい場合なども、ハイギア以上であれば、回収からキャストが手早く行え、釣果を得るチャンスも上がります。
ドラグ性能の優劣
どれだけ剛性の高いロッドを使用していても、どれだけ強いメインラインを使用していても、大型との対峙には、相手との綱引きの掛け合いをいなしていかなければ、最悪ロッド破断、メインラインの破断に繋がります。
この相手との掛け合いで発生するベクトルを分散させてくれるのがドラグ機構になります。調整幅を最大限に活かして、魚の力が残っている場合にはラインを引き出しながら、各ギアに掛かる負荷を減らす必要があります。
メーカー様の最新技術が詰め込まれている部分でもあり、魚をキャッチするための優劣には、リールに搭載されているドラグ仕様・性能が重要になってきます。
先述したように、サクラマスの口は大型固体の割には弱く、魚自身のパワーも相まって口切れを起こします。バイトキャッチ時のアワセのタイミング、魚を岸まで寄せた後、最後の横走時でのフックアウトも、ドラグの効果で魚の力を往なしていく必要があります。
サイレント機構(滑らかさと静かな巻き心地)
メーカー様各社は、滑らかに、静かな感覚でリーリング出来るスピニングリールを開発しリリースしてくれています。ダイワ社のLT(LIGHT&TOUGH)仕様、シマノ社のサイレントドライブ、アブガルシア社のフリクションフリーなどがそれにあたります。
摩擦が極力発生しないように、各種ギアの組み合わせ精度を極限まで高め、滑らかさを追求した技術革新が際立った仕様が搭載されていれば、様々な感覚のバイトをキャッチし、必ずや釣果に結びついてきます。
海サクラマスゲーム向きのスピニングリール 13選をご紹介
先述のスペック説明に即した、サクラマスゲームに適したスピニングリールをご紹介して行きます。
下記に①重量、②ギア比、③糸巻き量(下巻きナシ)、④ドラグ仕様 ⑤総評を記載していきます。
お求めやすいスピニングリール
【テイルウォーク】SPEAKY 3500HGX 2020年発売
①270g ②5.2:1 ③PE1号-560m ④フェルトワッシャードラグ
⑤総評 3Dアルミマシンカットギアで精密に組まれた、スムーズな巻き心地のスピニングリールです。
超超ジュラルミン製メインシャフト採用で、軽量化とリトリーブ時のブレが徹底的に排除され、パワーは落とさずに、軽快なリトリーブを実現しています。
【アブガルシア】REVO ALX THETA 3000MSH 2020年発売
①238g ②6.2:1 ③PE2号-220m ④カーボンマトリックスドラグ(2WAY DRAG)
⑤総評 デュラメタルを筐体素材に採用し、ダイカストからマシンカットで削り込まれたワンピースボディが、リーリングバランスと効率的なギア組みを可能にした滑らかな巻き心地のスピニングリール。CG解析により、ギアの歯型形状を最適化し、究極の滑らかさが発揮されています。ゲームの質に合わせたワッシャー組み換えで、最適な滑り出しでブレイクを防ぎます。
【アブガルシア】ロキサーニ 4000SH 2018年発売
①261g ②6.2:1 ③PE2号-220m ④カーボンマトリックスドラグ(2WAY DRAG)
⑤総評 アブガルシアの技術が惜しげもなく詰め込まれた高性能なスピニングリールです。こちらもDURAMETAL成型の一体ボディーで、ソルトウォーターのタフなフィールドでも快適にお使いいただけます。高性能耐食性素材を採用されたHPCRベアリングは、耐久性、滑らかさ、耐食性を向上させています。
【ダイワ】フリームス LT4000-CXH 2021年発売
①261g ②6.2:1 ③PE1.5号-200m ④ATD
⑤総評 ZAION V採用による軽量化と剛性感、ダイワ様新基準のLIGHT & TOUGHとタフデジギアによる滑らかさで、静かなリトリーブが完全体感できるハイスペックなスピニングリールです。LC-ABSによるライン放出性も安定し、安定したキャスト飛距離と、強風下でのライントラブルについても大幅に減少される、トラブルフリーで、快適なサクラマスゲームを楽しめます。
【ダイワ】カルディア LT4000-CXH 2021年発売
①230g ②6.2:1 ③PE1.5号-200m ④ATD
⑤総評 マグシールドでMONOCOQUE BODYを完全密閉した、タフな環境下での安定性と耐久性が維持される、ダイワ最新技術が詰め込まれたスピニングリールです。上記紹介のフリームスとは兄弟機の位置づけになり、軽量ボディーとビジュアルの漆黒感で、人気を二分する高性能機です。
【シマノ】アルテグラ 4000XG 2021年発売
①270g ②6.2:1 ③PE1.0号-490m ④カーボンワッシャードラグ
⑤総評 炭素系樹脂素材のCI4+で組まれた軽量筐体と、コストパフォーマンス以上のスペックが盛り込まれた、シマノ中核クラスのスピニングリール。マイクロモジュールギアの静粛感と滑らかさは上位機種から受け継ぎ、ロングストローク設計のスプールも採用されたことで、快適な遠投性能を誇ります。
【シマノ】エクスセンス BB 4000MHG 2020年発売
①280g ②5.8:1 ③PE1.2号-250m ④ラピッドファイアドラグ
⑤総評 シーバスゲーム対応モデルではありますが、Xプロテクトとアングラーの瞬時の判断に即座に応えるラピッドファイアドラグが採用された、大型魚種対応のスピニングリールです。こちらのリールは、サクラマスアングラーが多用されており、ショアジギングからシーバスはもちろんのこと、サクラマスゲームへの転用など、この一機があれば幅広いゲームを快適に楽しんでいただけます。
ミドルスペックのスピニングリール
上記紹介リールからレベルアップし、性能的にもハイスペックモデルと同等になる、サクラマスゲームに即したスペックを保持したスピニングリールをご紹介して参ります。
下記に①重量、②ギア比、③糸巻き量(下巻きナシ)、④ドラグ仕様 ⑤総評を記載していきます。
【アブガルシア】ZENON 4000SH 2021年発売
①170g ②6.2:1 ③PE2.0号-220m ④カーボンマトリックスドラグ
⑤総評 管理人も保持し、サクラマスゲームからショアジギングまで、幅広い領域で多用しているスピニングリールをご紹介します。圧倒的な軽さと左右非対称な筐体が生み出すキャストとリトリーブバランスは、他のリールにはない類まれな快適性があります。Duracarbon ™ハンドルから伝わるショートバイトも、釣果アップの好材料になっています。
【アブガルシア】レボ SP ビースト 4000SH 2023年発売
①225g ②6.1:1 ③PE2.0号-220m ④2WAY DRAG
⑤総評 ZENONと同様に、左右非対称の筐体が採用され、C6 V-RotorとFriction-Freeによる滑らかで静かな巻き心地が実現されたアブガルシア最新のスピニングリールです。同時にAMギアリング™システムも組み込まれ、パワーアップと滑らかさが高次元で発揮されています。
【シマノ】ストラディック 4000XG 2019年発売
①280g ②6.2:1 ③PE1.0号-490m ④カーボンワッシャードラグ
⑤総評 低摩擦でコンパクトなローラークラッチが搭載される、軽い巻き上げフィールと軽さが実現されているサーフゲームには定番となるスピニングリールです。AR-C加工が施されたロングストロークスプールは、広大なサーフからの長距離キャストに対応したライン放出性と軽さを兼ね備え、沖目のバイトも察知できる回転性能の搭載が、サーフアングラーへの人気の証拠です。
【シマノ】ヴァンフォード 4000XG 2020年発売
①215g ②6.2:1 ③PE1.5号-320m ④カーボンワッシャードラグ
⑤総評 滑らかで静粛性の高いマイクロモジュールギアⅡが搭載され、微細な違和感からショートバイトをキャッチする高性能スピニングリール。サーフからのキャスティングゲームに適正高い4000XGをご紹介します。ルアーゲーム専用とも言えるルアーのキャストと巻き出し性は、専用設計が織りなす技でしょう。
【ダイワ】ルビアス LT4000-CXH 2020年発売
①215g ②6.2:1 ③PE1.5号-200m ④ATD
⑤総評 こちらのモデルも、サーフや本流域でサクラマスゲームに多用される人気機種のスピニングリール。パワー感とキャスト飛距離が確実な仕事をしてくれます。ローター素材にもZAIONが採用され、軽いタッチと回転フィールで微細なバイトをキャッチし、片側に搭載されるエンジンプレートが、左右のリトリーブバランスを安定させてくれています。
【ダイワ】ブラスト LT LT4000-CXH 2018年発売
①270g ②6.2:1 ③PE1.5号-200m ④ATD
⑤総評 ショアからのキャスティングゲーム、スーパーライトジギングからサクラマスゲームなど、幅広くSWシーンで活躍する高剛性LTスピニングリールです。LT仕様も組み込まれ、エアローターとのマッチング効果で、軽いリーリングが実現されています。細部にまで及ぶ徹底した軽量化へのこだわりで、キャストの繰り返しでも疲れを軽減してくれます。
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スピニングリールを扱う注意点
リールの扱いやスピニングリールを使い熟している方は熟知されていると思いますが、念のため下記に箇条書きで注意点を羅列して行きます。
・リールを地べたや岩の上に直接置かない⇒リール表面へのキズ発生や、最悪の場合、砂や小石を巻き込んで、駆動部に侵入し、スプールやギアの破損に繋がります。重量があるリール群ですので、打痕キズに加え、圧痕キズも発生してしまいます。
・リールを落下させない⇒最近のリールは軽量化され、落下衝撃に強くなったと言われても、表面に出来たスクラッチ(小さいキズ)や金属クラック(欠け)が継時劣化して、目に見えない内部で進行していきます。それが、次の衝撃やファイト中の力の掛かりで破損に至るケースも少なくありません。
・リールの水中落下も極力避ける⇒ロッドにセットした状態で、落下させてしまうケースが多々ありますが、極力注意するようにしましょう。特に、海水への落下は、ソルト対応でもダメージが大きいので、直ぐ真水で洗浄することをおすすめします。
以上は、ベイトリールでも同様ですので、精密機械を扱っている気持ちで接していきましょう。
スピニングリールのお手入れ方法
先にも述べたように、リールは完全なる精密機械です。高価になればなるほど、大型に成ればなるほど精密具合や精度が増していきます。管理人は精密機器の設計開発を本業としておりますので、その観点から最低行いたいお手入れ方法をご紹介します。
実績としては2007年式メタニウムと2003年式ツインパワーは、今だメインフィッシングギアとして現役で活躍してくれています。
では、以下に箇条書きで説明していきます。
・メンテナンス頻度は釣行時毎回行います。例えば、3日連続で釣行する場合、1日毎行うようにしましょう。この積み重ねが、高価なリールを正常な状態で維持するコツです。ロッドも同じです。
・ドラグを緩めてスプールを外します。その後、手で分解出来る箇所は、しっかり分解してから真水(無ければ水道水)で洗浄します。
・その後、日陰干しで完全乾燥させます。日向は厳禁です。急激な水分蒸発で、水に含まれているカルキやカルシウムが部品上で結晶化してしまい、固着や異音の原因になります。また、固着していた異物が剥がれ落ちて、ベアリング内部やギア類に噛みこみ、動作不良の原因にもなります。
・乾燥後、綿棒を使って、細部やベール周辺、回転部を乾拭きしますが、けば立った糸くずは内部に残さないように注意が必要です。
・乾拭き後、リールメーカー純正のグリスとオイルで注油を行います。高速回転するシャフトを支持する両ベアリング(スプールシャフト含む)にはオイルを注油、ハンドルノブや低速回転部はグリスを塗布するようにしましょう。狭い箇所には、ティッシュペーパーやピンセット先端に少量付けて回転部を回してオイルを送り込みます。いずれも、油膜が出来る程度のほんの少量にします。注油しすぎると、逆に異物やゴミを呼び込んでしまいます。
・ラインローラー部(内部にベアリング有)は、綿棒や細く絞ったティッシュペーパーで綺麗に乾拭きだけにします。この部分は、一番外に面している部分ですので、先にも述べたように、注油してしまうとゴミや異物を呼び込み、かみこんでしまいますので、注油は要注意です。
・その後、元通りに組み上げて、回転部を回して、異常が無ければ終了です。その後はリール収納ケースや個別の収納BOXに保管し、ゴミの付着を防ぎましょう。
ばらして、組み上げる自信がない方は、スマホなどで動画を取りながらばらして、逆の手順で組み上げれば問題ありません。
各メーカー様の純正注油をご紹介
ダイワ純正注油セット
ダイワ リールオイル2
ダイワSLPワークス メンテナンスグリス104.
シマノ純正注油セット
シマノ ディスクドラググリス DG09
アブガルシア純正グリス
アブガルシア メンテナンスキット
本記事のまとめ
今回の記事では、海サクラマスのロッドに合わせたいスピニングリールの詳細を紹介してきました。
今記事では、
①海サクラマスゲームに必要なリールのスペック
②海サクラマスゲーム向きのスピニングリール 13選をご紹介
③スピニングリールを扱う注意点
④スピニングリールのお手入れ方法
⑤各メーカー様の純正注油をご紹介
として纏めてまいりました。
以上をご参考になって頂き、自身に適したスピニングリールを選択頂ければと思います。
スピニングリールの説明を更に詳しく知りたい方は?
ページ最下部に「お問い合わせ」項が御座いますので、そちらからご連絡頂ければ、少々お時間を頂いた上で、調査、確認後にご回答いたします。
それでは、このブログをご覧になって頂いた皆様が、よりよいフィッシングギアを購入されて、自然と楽しく遊んでくださる事を願って、次回の商品紹介の記事執筆に入らせて頂きます。楽しみにお待ち願えれば幸いです。
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