釣行の安全対策に対して完全防備のつもりでも、頭部を保護するヘルメットについての着用率は、まだまだ低水準です。道中険しい道のりに加えて、大型魚と対峙する磯釣りやロックショア、山岳渓流釣りではクライミングも必要になる場合も多く、ロマンと共に貴重な一尾を追い求めるには、釣り場の危険性も背中合わせになってきます。
ヘルメットの着用は釣りのシーンでは義務化はされておりませんが、事故やマナーの問題から、釣り場が年々減少しているのが実態です。楽しいひと時から自分を守るため、家族の生活を守るため、そして沢山の人が釣りを楽しむ釣り場を確保していくために、ウェーディングスーツやライフジャケットと共に、危ない場所での釣行では、頭部を保護するヘルメットの着用をおすすめします。
今回北の住人では、ロックショアや山岳釣行に適した釣り用ヘルメット、アウトドアスポーツ用ヘルメットから、着用していても移動や魚とのファイトシーンでも邪魔にならず、快適な釣りを楽しめる便利モデルも併せて11選ご紹介して参ります。
是非最後までご覧いただき、釣りを楽しむための安全対策アイテムの参考にされて頂ければ幸いです。
釣行でのヘルメットの必要性(管理人経験則)
当記事を執筆している管理人、実は離島の磯場、沖堤防のテトラ帯で、2度に渡り頭部を縫う怪我をしております。
十数年前からショアジギングにはまりだし、離島の磯場や沖堤防、アクセスが困難で未踏の地にになっているような地磯への釣行が続いていました。そんな折、一度目の怪我は仲間が掛けた魚のランディング時、二度目は自らのファイト時に、テトラからテトラへの移り変わりでの滑落によるものでした。
いずれの場合も傷の縫合と軽いムチ打ちで済みましたが、その時更に高さがあったら、もっと大惨事になっていた事でしょう。学生時代からサッカーも勤しみ、現役プレーヤーとしての運動神経の過信に盲点もあったと思いますが、完全なる自身の油断からの過失です。
スパイクブーツも着用し、足元には十分に気を配っていたつもりでしたが、釣り人の性からか、掛けた魚、特に大型であれば必ず獲りたい野心が働き、注意力よりも勢いが勝っていたのだと思います。この件以降は、ブーツにはアイゼン(滑り止めスパイク)も追加で装着し、ロードバイク用で保持していたヘルメットを持参して着用するようになりました。そしてクライミング用の専用品購入に至りました。実は、仲間内でも頭を怪我したメンバーが数人おり、いずれも軽傷で済んでいますが、このような事故が起きる前から注意喚起しておればとつくづく後悔しています。
以上、経験談からの周知になりますが、怪我の程度に関わらず、事故が起きてからでは遅いという事です。事故での怪我を未然に防ぐ意味でも、険しく危険が察知できるポイントでは、アングラーの方々にもヘルメットの着用をおすすめし、楽しいフィッシングライフを送って頂ければと思います。
釣りに向くヘルメットの特徴
磯場や沖堤防以外、また仲間内やコミュニティ以外ではヘルメットを着用している方はあまり見かけませんが、おそらく「ヘルメットが重くて邪魔」、「荷物に嵩張る」だったり「暑苦しい」といったイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。滑落事故の経験や怪我の経験も少なければ猶更の事でしょう。
単車(バイク)用や工事現場用のヘルメットであれば、特に頭頂部への衝撃も緩和させなければならないために構造上や材質的にも致し方ありませんが、釣行時に併用できるヘルメットは、多くはクライミング用やサイクリング(ロードレーサー)用から流用し、軽く、通気性良く、おしゃれなモデルも出揃っています。
外観仕様
・アウター素材は硬質軽量樹脂から成型されます。
・耐衝撃は当然ですが、インナー素材との融合で、弾力性に富む外形構造に仕上がっています。
・ヘルメットのネックである通気性も、スリットや多くの通気孔が設けられ、汗ばむことなく、快適な被り心地で釣りに集中できます。
後方(後頭部側)形状
・後頭部周辺、側頭部の保護も必要になりますので、後方まで覆ってくれる形状が望ましくなります。
・ロックショアや山岳釣行では、前方への転倒だけとは限らず、張り出した岩盤や突き出た岩、貝類からも頭部を防がなければなりません。
・フルフェイスまでいかなくても、頭部の周囲は保護できるヘルメットをチョイスしましょう。
インナー仕様
・外装面と同様に、直接頭皮に接触しないようにインナーガードが採用され、通気性の確保と密着の違和感を抑制してくれています。
・ヘルメットがズレることでストレスが生まれないように、各メーカー別に、装着の負担軽減と固定方式(プッシュアップ、ベルクロ等)が採用されています。
形状別の頭部ガードアイテムの形態
ロックショアや磯釣り、山岳渓流で、事故から頭部をガード出来るアイテムは、釣り用に留まらず、クライミング用やハット・キャップタイプまで、使いやすさと快適性に優れた製品がラインナップされています。
クライミング仕様
・アウトドアスポーツの頭部ガード用アイテムとしては、最もメジャーな仕様です。
・岩肌への接触や衝撃性についても外装素材とインナー素材が効率よく吸収し、事故や怪我から頭部を守ります。
・スポーツギアとしての安全性と快適性に優れた専用設計が施されます。
ロックショア・山岳渓流・釣り用
・ヘルメットのベースはクライミング用からの流用で、ヘッドライトの装着形状や、瞬時の締め込みに対応するダイヤル式のアジャスターが標準装備されます。
・通気孔も設けられますので、蒸れずに快適なロックショア、磯釣りや山岳釣行が楽しめます。
サイクリング・ロードバイクモデル
・アウトドアユースのヘルメットの中では、通気性と空気抵抗減、軽量性に特化された設計です。
・サイクリングやロードレースの性質上、耐衝撃に加えて体温放出性が求められますので、頭部後方や側頭部周辺はオープンスペースになり、頭部全体の保護面積としてはやや狭くなります。
ハット型ヘルメット
・ヘルメット装着にどうしても違和感を覚えてしまう方、大袈裟に感じてしまう方には、インナーガードが装着できるハット型やキャップ式も安全対策としてお使いいただけます。
・通気性はやや下がりますが、見た目では判らないビジュアルですので、ロックショアや磯釣りに出向く女性にも好適性でしょう。
安全対策が最も重要です!
ロックショアや山岳釣行での滑落や転倒事故だけでなく、フックや釣り針からの保護、ラインテンションMAXの状態で、魚から外れて飛んでくるメタルジグやハードプラグの衝撃からも頭部は保護しなけれなりません。眼球や露出した肌も同様に、即座に病院に行ける環境であれば何とかなるかもしれませんが、沖磯や離島、沖堤防ではそうもいきません。
サングラスや偏光グラスでの目の保護、フックや岩肌に直接触れる手に付いてはグローブしかり、頭部は最低限ハットやキャップ、少しでも危険を感じる釣り場、釣行路であったらヘルメット着用を習慣化していきましょう。自分の身は自分で守り、安全で快適な釣りを楽しんでいきましょう。
ロックショアや山岳渓流に適したヘルメット11選のご紹介
ここからは、気温が高く日差しがキツイ時期でも快適着用できる、釣りに適したヘルメットをご紹介して参ります。
釣具メーカー、アウトドアギアブランド、サイクリング・ロードバイク用、ハット・キャップタイプに分類してご紹介して参りますので、アングラー様ご自身のフィッシングスタイルに見合ったヘルメットをチョイスしてみて下さい。
釣具メーカーのヘルメット
【リバレイ】RBB ロックショアプロテクター 2023年発売
外装素材はABS、内壁のクッション材は水を含まない高密度EVAとなり、強度の高いクーラーボックスと同等の耐衝撃性を誇るロックショア専用ヘルメット。今年度、管理人や釣り仲間も新調した釣り用ヘルメットになり、着脱が容易なダイヤル式アジャスターが便利に扱えます。
アウトドアギアブランドのヘルメット
【ブラックダイヤモンド】ハーフドーム 2019年発売
クライマー御用達メーカーであるブラックダイヤモンドからのおすすめはシンプルモデルのハーフドーム。
マズメ時やナイト移動の際も、ヘッドライトを固定できるクリップがストレスを感じさせません。
【bern (バーン)】MACON 2.0 JAPAN FIT 2020年発売
釣りだけでなく、クライミングやアウトドアユースにバッチリハマる軽量ヘルメット。
ウインタースポーツやウォーターゲームにも対応し、日本人のヘッドサイズと骨格形状にセッティングされたインナーバンドがおすすめポイントです。
【モンベル】L.W.アルパインヘルメット 2018年発売
登山・クライミング用のヘルメットとして、多くのアウトドア愛好家に人気のロングセラーモデル。
人気の理由はアジアンフィットのデザインになり、ジャストな装着感と蒸れにくい適宜なエアホールが、快適なアウトドアスポーツにマッチします。
【Grivel(グリベル)】サラマンダー2.0 2017年発売
グリベルにラインナップされるヘッドギアの中でも、より多目的に使用できる2代目モデル。
後頭部周辺もしっかりガードし、安定した装着感と快適性を得られるベンチレーションが設けられています。ジャパンフィットに仕上げられるサイズ感は、多くのクライマー様やアングラーに人気のモデルです。
【MAMMUT(マムート)】SKYWALKER 3.0 Helmet 2022年発売
こちらのヘルメットもパフォーマンスを崩さない装着感と安心感を得られる人気モデル。
前後左右、あらゆる方向からの衝撃に耐えうる保護性能は、ハードシェルとフォームパッドの耐久性と堅牢性にも表れています。大きめに設けられたベンチレーションが頭部の蒸れを押さえてくれます。
サイクリング・ロードバイクモデルのヘルメット
【OGK KABUTO】RECT(レクト) 2018年発売
JCF規格を保持する高強度モデルになり、サイクリングやロードレースをはじめ、各種のアウトドアスポーツに適応するフィット感が人気のモデル。テールライトが装着可能になり、薄暗いマズメタイムやナイトゲームでも、自身の存在を他者にアピール可能です。
【ABUS(アブス)】マケーター 2023年発売
ロードレースはじめ、各種のオールラウンドスポーツに使えるスポーティーモデル。
強度と耐久性が保証されるインモールド構造になり、不意に頭をぶつけてもショックを拡散してくれます。
サイクリングの趣味も兼ねたアングラー様には是非おすすめのモデルです。
【ALPINA(アルピナ)】ALPINA PATH 2022年発売
ヘルメットを頭部にジャストフィットさせることが出来るRun System Ergo+搭載され、移動時やファイト時の衝撃でもズレにくいカスタムフィットシステム。ベンチレーション部には防虫ネットも搭載され、釣行道中での藪漕ぎやアブの襲来にも万全に備えた仕上がりです。
【GIRO(ジロ)】FIXTURE II 2023年発売
MTBやトレイルでの転倒衝撃にも対応し、日本人の頭部形状にもジャストフィットするユニバーサルフィット仕様。16個の大型ベンチレーションホールが設けられ、風通りの涼しさと快適性を得られます。
他のサイクリングモデルよりも保護面積が広く設計され、お好みによってバイザーの脱着も可能なモデルです。
ハット・キャップタイプのヘルメット
【AIRFRIC】AIRFRIC 23BH-HAT 2023年発売
帽子型ヘルメットの人気に伴い、マリンレジャースポーツメーカーであるAIRFRICからリリースされたお洒落で安全なハットモデル。内壁にはABS樹脂製インナープロテクターを備え、外部衝撃力を軽減してくれます。ヘルメットに抵抗がある方でも、タウンユースでお使いいただけるほどの自然な仕上がりです。
【AIRFRIC】キャップ型 自転車ヘルメット CAP-017 2023年発売
上記紹介仕様のキャップ型ヘルメット。ヘルメットに見えないカジュアルを持ちながら、頭部をしっかり防護出来る、ヨーロッパの厳しい安全基準であるCEマーク(EN812)も取得しています。アウトドアや釣り場への道中だけでなく、自転車でのちょっとしたお買い物にもお使いいただけ、ヘルメット着用推進を果たせます。
更に気になる釣り向きヘルメットが御座いましたら、下記↓↓↓↓のECサイトから検索頂ければ、お気に召すヘルメットが見つかるかも知れません。
本記事のまとめ
今回の記事では、ロックショアや山岳釣行に使用頂けるヘルメットの詳細を紹介して参りました。
①釣行でのヘルメットの必要性(管理人経験則)
②釣りに向くヘルメットの特徴
③形状別の頭部ガードの形態
④安全対策が最も重要です!
⑤ロックショアや山岳渓流に適したヘルメット11選のご紹介
以上をご参考になって頂き、ご自身が納得頂けるヘルメットを選択頂ければと思います。
最後までご覧になっていただきありがとう御座いました。
ロックショアや山岳釣行に使用頂けるヘルメットの説明を更に詳しく知りたい方は?
ページ最下部に「お問い合わせ」項が御座いますので、そちらからご連絡頂ければ、少々お時間を頂いた上で、調査、確認後にご回答いたします。
それでは、このブログをご覧になって頂いた皆様が、よりよいフィッシングギアを購入されて、自然と楽しく遊んでくださる事を願って、次回の商品紹介の記事執筆に入らせて頂きます。楽しみにお待ち願えれば幸いです。
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